もう一度、微笑んで【呪術廻戦】

夏油side ページ4

初対面の印象というものは、案外すぐに崩れる。
入学から１ヶ月

「すぐるー。任務変わってくんね。」

五条悟という人間は一言で言うなら生意気なクソガキ。だが、波長があった。

「嫌だよ。悟。その性格、そろそろ治しな。」

へいへいなんて言って躱す様子に腹が立つが、同時に憎めないやつだと思う。この1ヶ月でだいぶ仲が深まった気がする。

最初は不良だと思っていた硝子も、この3人の中では1番まともで良い奴だとわかった。
煙草を吸っている姿は傍から見れば完全に不良だが。

「怪我すんなよー」

意外と優しい所もあったりする。

そして
『俺も行っていい？』
この綺麗な男。相川A。
彼とはまだ両手で数える程度しか話したことがない。独特の雰囲気を持っていて、不思議な人間。

「いいけど、邪魔すんなよ。」
無愛想に悟が答える。




「悟でいい」
「術式は？」
その口調とは裏腹に、悟はAに優しい。
授業の一環で呪霊操術と反転術式を見せるまで私達にも生意気な態度をとっていたのに。
Aと話す時だけは、どこか大人びた表情になる。

ゲイなのかと疑ったこともあるが、それは違うようだ。


相川Aという人間はどこまでも綺麗だと思う。
容姿は勿論、陽だまりのような性格。隣にいると安心する、優しく受け止めてくれるような、そんな感覚。




もっと彼を知りたい。

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