家入side ページ28
五条と夏油。
どちらも立ち直ったとは言っているが、彼奴らも私も、一生引きずるだろう。
あんなに綺麗な人、二度と現れない。
寄り添う身体も。
優しい笑顔も。
彼といる時だけに生まれる安心感も。
Aが死んで、1年ぐらいは大変だった。
人と話すのも億劫になって、夜蛾先生が繋ぎ止めてくれなかったら、本当に危なかったと思う。
夏油と五条は直ぐに喧嘩するようになって、七海は笑わなくなった。
灰原は元気でいようと努めていたけど。ばればれだった。
Aの元に行きたいと思った時は、仲間と慰め合った。Aが慰めて、笑ってくれたら、何もかも上手くいくのに。
なんて、思っても意味無いけど。
禁煙していても、彼の命日には必ず煙草と酒を飲む。そうしているとあの日のように
『2人で悪いことでもしよう』
と笑う彼が来てくれる気がして。
あの日から、2人は人前で泣くことも少なくなったよ。
Aが慰めてくれないなら、泣く意味なんてないから。
酒飲んだ時の五条。すごく面倒臭いんだ。泣きながら、Aのことしか話さなくなる。その話を聞いて私も夏油も泣いて。
その日は寂しすぎて、寝れなくなる。
1人で堪えるように泣く夏油を見た事がある。
夏油が泣くなんて、彼に関することだけ。
Aの部屋、まだあのままだよ。
片付けたら、拠り所が無くなるから。
たまに3人で泊まるんだ。映画を見て、歯を磨いて、あの頃のように、ソファーで眠る。
2人とも、あの頃よりでかくなったからだいぶきついよ。Aがいれば、暑苦しくないのに。
さらに悲しくなるだけだけど。
きっと何しても悲しいから。
それなら、彼を感じていたい。
Aが死んでからもうだいぶ経つ。
五条、つまんなくなっちゃった。
あの頃みたいに尖ってなくて。
ずっと笑っていて、掴めない。
夏油は、また隠すようになったよ。A意外には話してくれない。今も君の墓の前で、弱音、しっかり吐いてる。
聞いてあげて。
七海は、前より笑わなくなったよ。そりゃそうだよ。Aがいなくなって、灰原も居なくなって。
七海にとって1番大事な2人だったから。
私は、変わったかな。
変わらないように頑張ってるんだけど、変わったってよく言われるようになった。
次会った時、心配してくれるんだろうな。
『 どうしたの、その隈 』
そう想像するだけで、心が暖まる。
A、会いたいよ
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琴葵(プロフ) - 主人公さんのどうか、笑う未来がありますようにと願わずにはいられない作品でした。とても、とても惹かれる物語でした。更新してくれて本当にありがとうございます。 (11月8日 12時) (
レス) @page30 id: 2a7eef1005 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 感動しました。学校に行く前に読ませていただいたのですが号泣しすぎて目が赤くなりました。 (11月1日 7時) (レス) @page30 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
nono(プロフ) - まじで泣く え、あの続編書いてほしいですね。文章力高いので行けると思います。この、死んじゃった子が生まれ変わって再開する的な？感じの作って欲しいです。良かったらですけど。 (10月8日 20時) (レス) id: 9ef243ee9f (このIDを非表示/違反報告)
氷姫(プロフ) - 泣いちゃいました。 (9月30日 23時) (レス) @page30 id: ae94d75975 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - めちゃくちゃ泣いてしまいました (8月16日 23時) (レス) @page30 id: d0878bcbf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2023年7月15日 20時
