もう一度、微笑んで【呪術廻戦】

灰原side ページ21

相川さんとの時間を増やしたい。
そう思っているのに、先輩達が許してくれない。
七海も内心そう思っているだろう。

凄く羨ましそうに見てるから。

先輩達や七海と一緒にいると時間が早く流れる。
気づいたら冬。
相川さんはいつ死んでもおかしくない。




焦ってしまう。
相川さんとは、ゆっくり話したいのに、話したいことも沢山あるのに。
涙腺が緩いせいか。すぐに泣いてしまう。


初めの頃、先輩は宥めるように笑ってくれたけど、今は悲しそうに笑う。

ダメだ。
そう思って泣かないように努めた。





授業をサボっても、先生は見逃してくれるようになった。グラウンドには雪が積もっている。

雪合戦。最初は乗り気じゃなかった七海も、五条さんと夏油さんに煽られ、本気になる。

「無限ずっる」
顔を顰めて文句を言う家入さん。

「俺、最強だから。」
カッコつける五条さん。

『悟ー。無限はずして。』

五条さんに向かって走ってくる相川さん。
五条さんはすぐに無限を外し、両手を広げる。
相川さんのハグを待っているのだろう。
その隙に五条さんに全員で集中攻撃。



次の日、先輩は風邪をひいて、相川さんが看病に行く。あんなにイラついてた五条さんも、彼が来たとわかると

「風邪もわるくねーな。」

なんていって、すぐに機嫌は治った。






相川さんも風邪になってしまった時、家入さんと夏油さんに叩かれ、七海に冷たい目で見られていたけど。

五条さんも相川さんも風邪をひいているというのに、結局は五条さんの部屋で騒ぎ、夜蛾先生に怒られた。

先輩達はいつもより楽しそうで、相川さんを独占している。



「あれ、五条最強の癖に風邪ひくの？巻き込まれた
Aがかわいそー。」


「硝子、風邪の時にからかうのはやめてあげな。
あの悟が熱で魘されるなんて、いつもの威勢
はどこにいったんだろうね。」


「傑。笑ってんのバレバレだから。」


「笑ってないよ。A、ゼリー買って来たんだけ
ど食べれるかい？」


「俺のは？」


夏油さんと家入さんが五条さんをからかい、相川さんが笑う。



なんでだろう。

なんで彼が死ななければならないんだろう。

こんなに素敵な人が、なんで。



どれだけ神様を責めても、彼とのお別れは迫ってくる。



1番辛いはずの先輩たちが笑ってるんだ、俺が壊してどうする。





楽しそうに笑う先輩達と呆れている七海の話に入り、その日は思いっきり楽しんだ。

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