夏油side ページ18
6人で来る初めての海。
彼の白い肌が太陽に晒され、いつもより色気が増している気がする。
そんな彼に苛立っている悟は、なかなか離れようとしない。
悟、硝子。彼らも大切な仲間だが、あと半年だと言われるとどうしても独占したくなる。
悟を宥めてはいるが、彼の身体を見せたくないのは私も一緒だった。
『傑』
澄んだ声。あと半年。
『ご飯食べよう』
綺麗な体。あと、半年。
『聞いてる？』
優しい笑顔。あと何回見れるのだろうか。
勝手に溢れ出る涙。彼は一瞬驚いて、仕方ないなとでも言うように拭いとってくれる。
悟達は海ではしゃいで、こちらを見ていない。
スラリと伸びた腕を掴んで抱きとめる。
「ねぇA。側にいてよ。」
周りの視線なんでどうでもいい。
彼の鼓動を感じる。
生きてる。それだけでさらに泣いてしまいそうになる。
泣かないと、決めたのに。
『うん。』
それだけ言って彼が笑う。
さっきまで海で泳いでいたせいか、彼の頬を濡らした海水が、ぽたぽたと私の体を濡らす。
彼といると、自分まで綺麗な人間になったような気がしてくる。海のような広い心が、太陽のような眩しい性格が、私の傷ついた心を癒してくれる。
まるで、荒れた地にまた花が芽吹くような。そんな感覚。
落ち込んでる時、連れ出してくれた日。
何も言わずに抱きしめてくれた夜。
本音を聞いてくれた帰り道。
ただ受け止めてくれたあの日。
いつ思い出しても、私の心を温めてくれる。
彼の代わりなんていない。たとえ彼にそっくりでも。彼じゃないとダメだ、嫌なんだ。
「じゃあ、皆を呼んでこようか。」
お互い分かってる。
そばにいれないことなんて。
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琴葵(プロフ) - 主人公さんのどうか、笑う未来がありますようにと願わずにはいられない作品でした。とても、とても惹かれる物語でした。更新してくれて本当にありがとうございます。 (11月8日 12時) (
レス) @page30 id: 2a7eef1005 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 感動しました。学校に行く前に読ませていただいたのですが号泣しすぎて目が赤くなりました。 (11月1日 7時) (レス) @page30 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
nono(プロフ) - まじで泣く え、あの続編書いてほしいですね。文章力高いので行けると思います。この、死んじゃった子が生まれ変わって再開する的な？感じの作って欲しいです。良かったらですけど。 (10月8日 20時) (レス) id: 9ef243ee9f (このIDを非表示/違反報告)
氷姫(プロフ) - 泣いちゃいました。 (9月30日 23時) (レス) @page30 id: ae94d75975 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - めちゃくちゃ泣いてしまいました (8月16日 23時) (レス) @page30 id: d0878bcbf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2023年7月15日 20時
