巨人とボール ページ5
入学式翌日。
放課後は部活見学だ。
昨日約束した通りバレー部を見に行くと、やけに人が多かった。
佐江「うぇー。何でー？」
菜穂「わかんない！ とりあえず上から見てみよっか」
女子だらけなこの場面に、既視感があった。
ここで一瞬余所見したのがいけなかった。
『！ 佐江』
身長が150cmと低めの佐江が(呼び捨てになった)女子の波に飲み込まれた。
菜穂「おーのー！！」
周りの人より割と背が高いため、その動きを何とか確認出来た。
「あれ、君どうしたの？」
一番前にいた男の人にぶつかった(胸にダイブ)らしい。
子供を抱っこするように持ち上げられてる。
佐江「(白目)」
菜穂「やば、気絶しそう！」
場合によっては嬉しくて、に聞こえるかもしれないけど、どう見ても違う。
『それはうちの子です！』
人の間を何とか通り、佐江を救出した。
佐江「もう無理……」
完全にグッタリしている。
現在二階席の一番後ろ。菜穂は慰めの言葉を未だにかけ続けている。
『……下の人多いですね』
しかも女子だらけ。あれ、この部活って女子と男子混ざってるのかな？
菜穂「マネージャー希望が多いみたい」
『マネージャー……』
佐江「あの人達の気が知れないよ」
ため息をつく佐江。
そしてある事が閃いた。
『……南を甲子園に連れてって？』
マネージャーといえばこれではないか。
すると二人は肩を震わせて笑い始めた。
菜穂「たっ、たしかに」
佐江「バレーだと春高……？」
そんな二人を横目に、コートを見る。
バレーボール、か。
やった事はない。けど、幼馴染みは結構強かった。らしい。
ボールの流れが綺麗……。
上げられたボールは、強い力で打たれる。
この時、うちは食い入るように見つめていたと、後から聞いた。
＊
菜穂「えっ、バレー部に入る！？」
帰り道、そう宣言したら驚かれた。
佐江「考え直したら？ あんな巨人がいるとこだよ？」
さっきあんな目にあった佐江は必死に止めようとする。
『何事も経験ですから』
小さい頃によく聞いた、お母さんからの受け売り。これを合言葉のように今までやってきた。
菜穂「そっか……頑張って！ 応援するよ！」
佐江「巨人が嫌になったら私と同じ部活に入ろうね」
『どれだけさっきの嫌だったんですか』
佐江「蕁麻疹できる程」
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水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタｗｗｗｗｗｗ (2022年8月27日 13時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです！完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております！無理のないよう更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…！ (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です！！応援しています！ (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍原 | 作成日時：2018年4月14日 20時
