親の心子知らず ページ37
『誰ですか？』
「おま……先輩に向かってそれ言うか？？」
「俺は声で分かったけど、小谷には分からないんだな」
『あ、花松さんですね』
「小谷がついに俺らのことまとめて呼んだぞ」
「花巻のことを花松って呼んだ頃と比べればいいんじゃない？」
「松川は心が広すぎだろ……」
目の前で繰り広げられる、いつもの調子の会話が懐かしく感じた。合宿が始まってからは、青城のマネージャーをやっていない。
少しほっこりしたのも束の間。今度は松川さんが口を開いた。
「で、三人は修羅場？ 小谷は眼鏡してないし」
「違います」
「(試合中でなくともこの身長は威圧感がすごい……)」
『…………』
「いや小谷は否定しろ」
「これは"修羅場"って単語に気を取られてますね」
「成る程ね、さすが幼馴染」
「そうだろうとは思ったけどな」
「(なんか御三方の間で火花が散り始めたような……コワイ……私は空気になろう……)」
シュラバ……と思考の海に漂いかけて、ハッとする。そんな場合じゃない、今は眼鏡だ。
いや、待てよ。
このまま上手いこと眼鏡が紛失したことをうやむやに出来ないか……？
もちろん眼鏡は大事だし、これが誰かにやられたならば腹立たしい。でもよく考えたら、これをやった心当たりはただ一人。
園崎さんだ。
だとすれば尚更、他の人を巻き込む訳にはいかない。のに、
「それより、Aの眼鏡が無くなったんですけど、見てませんか？」
京治はそう簡単には誤魔化せない。昔からそうだ。困ったことがあればすぐに助けてくれる。感謝はしてるけど、自分が不甲斐ない。
「見てないけど、眼鏡ね……」
「なぁ、もしかしてそれは」
アレと関係あるんじゃないか、と花巻さんが言いかけた瞬間に声を上げる。
『
ごめんなさい、やっぱりダメだ。
これはうちの問題だから。
A、とうちを呼び止める幼馴染の声は心配の色が滲んでいた。
『
「本当にそれで良いの？」
何が言いたいのかはなんとなく分かってる。それでも、これは譲れないから。
『もうティーンも後半になるから』
と、サムズアップをしてその場から歩き出した。
「(いや今ので納得できる訳ないし前見えないんじゃないのか)」
「(アッAちゃんが壁に吸い寄せられてる！)」
「「(色々分からん)」」
☆オチがよわい____
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 825人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタｗｗｗｗｗｗ (2022年8月27日 13時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです！完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております！無理のないよう更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…！ (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です！！応援しています！ (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍原 | 作成日時：2018年4月14日 20時
