力を貸す。そして助けてくれ ページ13
「さっきは悪かったな」
野口医院・ロビー
薄暗くしずかなロビーに足跡ともに声が響く
悠夜と沙湖が振り返ると空斗がいた
「健太くんに言われたけど俺、情緒不安定なんだな」
「あぁ。そうだ。お前は自分をコントロールしきれてない。学校に行かないってのもその場で出た
言葉だろ」
「さすがだなぁ〜!悠夜って精神科の先生とかやってんの?w」
空斗は乾いた声を出す
「ねぇ空斗」
「ん〜?さこちは帰んなかったんだね〜?」
「空斗は本当に事故ったんだよね?」
「え?なにってんのー?あたりまえじゃーん」
「いや、それは俺も聞きたかったんだ。というか遊部のこと以前にこれを聞きたかったんだ」
「え〜?ふたりして何言ってんの〜?」
真剣な二人を空斗は軽く流す
「私は、空斗が『望んで』事故ったんじゃないかなって思った」
沙湖がつぶやく
「……別に、なんだっていいだろ」
空斗の雰囲気が急に変わった
「事故った時のことを教えてくれ」
悠夜が問い詰める
「別に、俺はいろんなことを考えて歩いてただけだよ。周りが見えてなかったんだろーなー。いつの間にか道路に出て引かれてた。まぁ、そのおかげで意識なくなってたし、足怪我したし、学校行かなくて済むから願ったり叶ったりなんだけどね」
2人は声が出なかった
「学校なんて行きたくないんだよ。教師も親もうるせーうるせー。俺は野球がしたいんだ。3年間でどれだけ野球ができた?なにもできなかったんだよ!」
確かに凛堂学園の野球部は校内でも三本の指に入るくらいのまったく力の入ってない部活だ。
「俺たちは、お前を助けたい」
「……なにが助けたいだ。もうつらいんだよ!好きなことはできない。みんなからは『お前が変わってないと安心する』なんて言われるんだ。俺だって、もう、嫌なんだよ!」
「私は安心した」
沙湖がふと言う
「は?」
「空斗はいつもどんなときも明るくいてなにも考えてないと思ってた。だから私は安心したよ。空斗は悠夜たちを助けられるよ」
「そうだ。空斗、力を貸してくれ」
「俺は貸せるような力はもってない」
「いや、持っている。その思いで俺たちは学校を変えるんだ。その強い思いを貸してくれ」
「……」
「後輩たちに俺たちと同じ思いをさせたくはないんだ」
「私たちが初代の遊部の意思を継ぐものだから」
「……俺が力を貸せるかわからないけれど、俺はおまえたちとやる。学校を変える。だから……」
空斗はうつむく
「だからっ、俺を助けてください」
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ストーン - がんばれーー(^o^)/ (2012年9月29日 21時) (レス) id: 639767d2dc (このIDを非表示/違反報告)
ストーンχ(プロフ) - すげー… (2012年8月27日 17時) (レス) id: daca46837d (このIDを非表示/違反報告)
BW(プロフ) - ありがとうございます!!本当にありがとうございます!とても、参考にしたいと思います! (2012年8月27日 0時) (レス) id: 10e0a2ff7e (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム(プロフ) - ただ、BWさんの場合、真剣に書き過ぎていて、面白みがあまり引き立たない、という面もあるので、少し肩の力をぬいて、リラックスしながら書くと、より良いものが書けるでしょうね(^_^)これからも頑張って下さい!! (2012年8月26日 9時) (レス) id: 73cfa07df4 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム(プロフ) - 思います。なので、人気が出たいというのならば、他サイトさんのオリジナル専用のところに行ったり、元々人気タグの小説を作るとか。私は貴方には才能があると思います。そして、物凄く惜しくも思います。私にできる事があれば、宣伝でも何でもします!! (2012年8月26日 9時) (レス) id: 73cfa07df4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみ | 作成日時:2012年6月9日 21時