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佐野先生「彼にはまだこのことは伝えていませんし、異常はないとしか言っていません。それらを踏まえて、もう一度、彼とどう過ごすべきか、再考してみてください。僕もできる限りの力にはなりますから」
そして、私はジント君の待つ病室へと向かった。
彼は、自分で自分の記憶を消してる。
思い出したくない、トラウマが、彼の全てを消し去ってしまったのか。
それほどまでに辛くて嫌な思い出が、彼にはあったということなのか。
もし、彼がその記憶を全て思い出した時、彼は一体、どうなってしまうのだろう。
私は一体どうすればいいのだろう。
ジント「Aちゃん、心配かけてごめんね。とりあえず、俺は今のところ異常ないみたい」
「そ、そっか…。良かったね！」
そう言って笑ってはみたものの、私の考えは、全然まとまらない。
でも、ちゃんともっと考えて、彼といろんな話をしなきゃいけない…。
それから私たちは、佐野先生に別れを告げ、病院を後にした。
「ねえ、ジント君…ちょっと、いいかな…？」
ジント「何？そんな改まっちゃって…」
「ジント君は、過去の記憶、戻ってきてほしい…？」
ジント「え…？うーん…そりゃ、まぁ…。俺って本当は何て名前なのか知りたいし、何歳で、どこに住んでたのかも、どんな家族がいるのかも、どんな風に生きてきたのかも、知りたい、かなぁ…」
「それが、思い出したくないことでも…？」
ジント「思い出したくない…？どうかな…。思い出したくないかどうかもわからないから、何とも言えないかなぁ…。でもどうして…？」
「あ、いや…。ちょっと気になっちゃって…」
ジント「……。でも、例え過去の記憶が戻っても、俺がAちゃんを好きな気持ちは変わらない…。変えたくない…。もしも過去の記憶が戻って、Aちゃんのこと忘れちゃうんだったら、戻らなくても、今のままの方が、いいかな…」
「ジント君…」
そう言ってくれて、私は嬉しくなってしまった。
私だって、ジント君を好きなこの気持ち、変わっていくのは嫌だ。
二人の関係が変わってしまうのなら、私は、今のままがいい。
けどそれって、彼にとって良いことなのか、悪いことなのか、そんなこと、きっと誰にもわからない。
ジント「さ、帰ろ？」
彼はそう言って、私の手を取った。
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» いえいえこちらこそ変な捉え方をしてしまい申し訳ありません！続きも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2020年3月8日 15時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 良い意味で面白い展開で予想外でした！私の伝え方で誤解を与えてしまったようですみません。続き楽しみにしてます！ (2020年3月6日 3時) (レス) id: 6c73ae34c1 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - いちごさん» 感想ありがとうございます！そんな風に言ってくださると、書いてよかったって思います。ありがとうございます！続きも頑張ります！ (2020年3月2日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - ひぃさん» 感想ありがとうございます！予想外になってしまって申し訳ないです…。続きも頑張って書いていきますので、良ければまた読んでくださると、嬉しいです！ (2020年3月2日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» 感想ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今日からまた続きちょこちょこ書いていくので、良かったら読んでみてください！ (2020年3月2日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月26日 19時
