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過去の全ての記憶や、その他日常生活にも影響が出るほどの記憶を失ったジント君にとって、クリスマスパーティーというものも、初めての経験なんだ。
もしかして、だから舜太はこんなに大袈裟に楽しくさせようとしてるのではないだろうか？
姉弟であるがゆえに、なんとなく、弟の考えてる時がわかるときがあるものだ。
だからこの時、私はふっとそんな風に思ったのだ。
だとしたら、舜太の奴もなかなか気の利く奴じゃないか。
舜太「ほら、ジントさんも楽しみにしてるやん。から、今日は思いっきり楽しもう！」
「うふふ…。仕方ないわね！付き合ってあげようじゃないの」
舜太「そうこなくっちゃねー！」
そして、浮足立った私たちは、昼下がりの道を足早に家に向かわせるのだった。
けれど、そんな楽しい会話も、一瞬のうちに静まり返る。
私たちの後ろで、誰かの足音がする。
付けられている。
誰かに、確実に、後ろを。
私は怖くなって、持っていた荷物をさらに強く握りしめた。
どうやら、隣のジント君や舜太も、このことに気が付いたようで、二人とも前を向いたまま顔をこわばらせた。
しかし、気のせいかもしれない。
だから、私は少し速足になって歩いた。
ジント君と舜太もそれに続く。
すると、後ろの足音も同じスピードになって付いてくる。
私たちが立ち止まれば、やはり後ろの誰かも立ち止まる。
間違いない。
今週ずっと私を付けていたストーカーだ。
しかも、今はジント君と舜太もいるのに、そんなの関係なしにつけてくる。
舜太「ジントさん。朝の打ち合わせ通り、Aちゃんのこと、よろしく」
ジント「うん…。わかった…」
すると、二人はそうつぶやき合って、目で合図を送ると、ジント君は荷物を地面に置いて、私の肩を掴んで抱き寄せた。
その間に、舜太は勢いよく振り返り、一目散に後ろへ駆け出した。
見ると、物陰から誰かが飛び出して、逃げていく後姿が見える。
そして、舜太もそれを追って走って行ってしまった。
「しゅ、舜太！！」
ジント「大丈夫。深追いはしないように言ってある。それに、さっき催涙スプレー買ってたから…」
いつの間にそんな…。
そう言えば、私がお気に入りの服屋で試着してる間に、二人でこそこそどっかに買い物行ってたわね…。
でも、相手が襲ってこないとも言えないし、大丈夫かな…。
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
