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ぜんっぜん集中できない。
こんなの、朝の比ではない。
キーボードで打った文面など、まったくもって意味不明で、今自分が何をやらなきゃいけないのか、何の仕事を任されているのか、それすらもわからない。
私のデスクのはるか向こうで、休憩用の円卓に腰かけてほかの社員と何やら楽しげに話している彼が、ちらちらと目に入るたび、私は言いようのない胸の鼓動に吐き気を催していた。
「ねえ、山中さんって、やっぱイケメンよね…。去年とちっとも変ってない」
と、私の気を知ってか知らずか、隣の同僚がうっとりとした顔で私に耳打ちしてきた。
今の私にはそういうのが一番うっとうしい。
「さ、さあ？っていうか、もう日本に戻ってきて、なんなのよ、まったく…」
私は震える手でキーボードをたたき、仕事の続きをしようと思ったけど、間違えてシャットダウンさせてしまっていた。
あぁ、もう最悪だ…。
「ねえ、もしかしたら、より、戻せるかもよ？Aってまだ彼のこと好きなんでしょ？」
本当にこの同僚は遠慮ってものを知らないのか。
土足で私の心にヅカヅカ入り込んで、傷をザックリとえぐっていくんだから。
「そ、そんなわけないでしょ！誰があんな奴！！」
つい、大声を張り上げてしまった。
このフロアの全員に聞こえてしまったのではないだろうか。
恥じらいが私の体温を急上昇させ、頬も耳も脳みそも全部熱くなっていく。
あぁ、もう本当に最悪だ！
けど、私のそんな最悪はまだ終わらない。
当然、今の声はあいつにも聞こえてしまった。
そう、山中柔太朗に。
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
