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「ジント君、なんか怒ってる…？どうかしたの…？」
ジント「どうもしてない！怒ってない！！でも…でも…俺…Aちゃんが…知らない男の人と…キス…してるとこ…見ちゃったんだ……」
ジント君の言葉で、私の心臓が激しく脈打った。
あの時のキス、見られてたんだ。
でも、それでなんでジント君がこんなに怒るの…？
ジント「あの人…誰…？」
「だ、誰って…別にジント君には関係ないじゃない？そ、それに、あのキスだって、あいつが無理矢理してきただけだし、ってなんでそんなことジント君に言わなきゃいけないの？」
ジント「……」
ジント君は、また黙り込んでうつむいてしまった。
今、一体何考えてるの？ジント君…。
「ほ、ほら、早く帰りましょ？」
もうこれ以上この話を引き延ばすのも、私自身気分がいいものじゃなかったので、彼の手を引いて家に無理矢理連れ帰ることにした。
けど…。
ジント君は私の手をまた振り払うと、今度は逆に私の腕を掴んできた。
まるで、さっき柔太朗にされたように。
「ジ、ジント君？痛いよ…。放して…？」
ジント「ごめんAちゃん…。でも、俺…もう…無理だよ…」
そう言って、ジント君は私の腕を掴んだまま、私に詰め寄ってきた。
その表情は、怒っているような、悲しんでいるような…。
そして、後退る私の体は、そのままベンチの横に立っていた大きな木に押し付けられた。
「ジント君…？」
ジント「俺だって…あんなの見せられたら……もう……我慢できない……」
「ジント君？何言ってるの？どうしちゃ―
その言葉は、そこで途切れた。
何故なら、彼の、ジント君の唇が、私の唇に覆いかぶさったからだ。
決して上手とは言えないけれど、それでも、その不器用で、幼くて、初々しいキスは、優しくて、甘酸っぱくて…。
柔太朗にキスされたときは、全然受け入れられなかったのに、なぜだろう。
このキスは、いつまでもしてたい。
とっても、温かい…。
きっと、それはほんの数秒だったと思う。
けれど、私にとっては、それは何十秒とも、何百秒とも、永遠ともとれるほど長い時間に思えた。
そして、ジント君はゆっくりと私の唇から遠ざかっていくと、どこか憂いを帯びて潤んだ瞳で私を見つめて、こう言った。
ジント「あの人と、俺のキス…どっちが良かった…？」
―
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
