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え…？
あ、本当だ…
俺、また笑ってるじゃん…
だって、それぐらいこのカレー美味しい…
そして、Aさんは俺にお風呂に入ってくるように促してくれた。
そりゃそうだ。
こんなに顔も服もベトベトにしちゃって、これじゃあまるで大きな赤ちゃんって思われてるかも…。
幸い、お風呂の入り方は覚えてる。
入り方って言っても、そんなのどこも同じだとは思うけど…。
―
ジント「はぁ…Aさん…いい人だなぁ…」
俺は温かい湯船に肩まで浸かりながら、Aさんのことを考えていた。
何故俺を助けてくれたんだろう…。
何故あんなに優しくしてくれるんだろう…。
こんな、記憶も何もない空っぽな俺なんかの為に…。
俺にも、何かあの人の為にできないかな…。
ジント「さぁ、あんまり長く入ってても迷惑になるし、そろそろ上がろう…。と、その前に…」
こんなことしかできないけど、あの人の為にお風呂ぐらいは綺麗に使ってもらおう。
俺なんかが入った後じゃ、Aさんも嫌だろうし…。
そう思って、俺は勝手だとは思いつつ、湯船のお湯を抜いて、掃除を始めた。
その時だった。
風呂場の扉が勢い良く開いて、Aさんが慌てた表情を浮かべていた。
「ジント君、大丈夫？！」
あ、しまった…。
出るのが遅くなって心配させちゃったみたいだ。
やっぱり先に一言断わっておくんだった…。
だけど、後悔先に立たず。
でもとにかくまずは謝らないと…。
ジント「ごめんなさい…。余計なことして…」
「い、いや！全然いいの！むしろ感動しちゃって…。ありがとう…そんなことまでしてくれて…」
はぁ…
そう優しく言ってくれたけど、きっと嫌な思いさせたよな…
俺…馬鹿だなぁ…
ん？
Aさん、ずっと俺の事…
そう思ってふと我に返ると、俺はとんでもないことに気が付いた。
今自分がどういう格好なのか、そんなの考えなくてもわかることなのに。
ジント「ご、ごめんなさい！こ、これは…！！」
とにかく早く隠れたかった。
こんな恥ずかしい格好、これ以上この人に晒すのはごめんだ。
俺は急いで湯船に戻ろうとした、その時。
慌てて踏み出した足が泡にとられて、その足でバランスを保つことができなくなった。
そして俺の体はそのまま滑った足を中心に前のめりに傾き、目の前のAさんを押し倒す形で盛大に倒れこんだ。
―
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月17日 15時
