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私の体を誰かが揺さぶっている。
でも、私の瞼は重たくって、中々開こうとはしてくれない。
いや、開けたくないと言った方が正しいかもしれない。
「起きて。遅刻するよ？」
私の寝ぼけた耳に、そんな言葉が入ってくる。
しかも一度だけじゃなくって何回も。
「おーい！Aちゃん！！」
名前を呼ばれ、私は胸のあたりがきゅっと痛くなったのを感じて目を開けた。
目の前には、綺麗な白い肌の男の子の顔が。
ジント「やっと起きた…。おはようAちゃん」
「ジ、ジントくん…」
ジント君はえくぼを両側の頬に作りながら、起き立ての私の顔を覗き込んでいる。
ジント「朝ごはん出来てるよ？一緒に食べよう？」
盆栽展から帰ってから、ジント君は以前とは打って変わって別人のように明るくなった。
いや、もしかしたら、私が笑顔でいてほしいって言ったから無理してくれてるのかもしれないんだけど…。
それでも、ジント君の笑顔を見ていたら、私はそれだけで元気が出てくるのだ。
「ごめん、また作ってもらっちゃって…。でも、いい香り…。お腹すいてきちゃった…」
ジント「でしょ？でも早く食べないと、仕事遅刻しちゃうよ？」
そう言われ、時計を確認すると、確かにちょっとやばいかも。
私はベッドから飛び起きると、洗面台で洗顔と歯磨きと軽く身だしなみを整え、リビングのテーブルの椅子に腰かけた。
すでにそこには、ジント君が作ってくれた朝食が並べられている。
今日はご飯とサラダ、インスタントのお味噌汁と焼き魚。
まさに日本の朝食！
ジント君も自分の分を準備すると、私の向かいの椅子に腰かけた。
でもよく見ると、ジント君の分はお握りとお味噌汁みたいだ。
そっか、まだお箸とかスプーンとか使えないものね…。
ジント「頂きます」
「い、頂きます！」
どんな家柄に住んでいたのか、ジント君はしっかりと手を合わせて、お握りに一礼してから手に取って食べ始める。
私もジント君を見習って、久しぶりに手を合わせてお茶碗を手に取った。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月17日 15時
