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早起きして一杯作ったから、ジント君もお腹いっぱい食べてくれるといいなぁ。
ジント「い、頂きます…！」
「召し上がれ！」
ジント君はサンドイッチを手に取って、口いっぱいにそれを頬張っていた。
「ど、どうかな？私料理ってあんまり得意じゃないんだけど…」
ジント「おいひいれす！とっても！」
笑顔で、いっそのこと幸せそうな顔でジント君は今度はお握りを手に取っていた。
はぁ…、今日は本当に良かった。
ジント君がこんなに笑顔になってくれるなんて…。
笑った時のえくぼもとっても可愛いなぁ…。
いつの間にか、気付かないうちに私はそんなジント君に見惚れてしまっていた。
ジント「あ…ごめんなさい…。俺ばっかり食べちゃって…」
私の視線に気が付いたジント君は、手を止めて頭を下げてきた。
「え？あ、違うの！あんまり美味しそうに食べるから嬉しくなっちゃって、ついつい見入っちゃった！…それよりどう？今日は楽しかった？」
ジント「はい！この間、あんなにひどいことしたのに…俺の為に…本当にありがとうございます…」
「ひどいこと？あれが？！あんなの事故じゃん！それに、前にも言ったけど、あんなの全然気にしてないってば！それよりもジント君が落ち込んでるほうが気にしちゃうよ！」
ジント「え…？」
「だから、いつも今日みたいに笑顔でいてほしいな。私もその為に頑張るから」
ジント「Aさん…」
「あ、私の名前覚えててくれたの？全然呼んでくれないから聞いてないのかと思った」
ジント「ご、ごめんなさい…」
「ねえジント君。私もっとジント君と仲良くなりたい。だから、もう敬語はやめにしよ？別に私の事もさん付けじゃなくっていいし。そうだなー、お姉ちゃんみたいに思ってくれていいから！」
ジント「お、お姉ちゃん…」
「え？それどういう反応？ま、まぁ、嫌だったら無理強いはしないんだけど…」
ジント君は少し考えるようにうつむくと、首を横に振って、ちょっと笑った。
ジント「俺も…A…ちゃんと…仲良く、なりたい…から…敬語やめるね…」
彼なりに色々考えた結果、私のことはちゃん付けになったらしい。
なんだか一気にジント君との距離が縮まったみたいで、私は今まで生きてきた中で五本の指に入るぐらい嬉しくなった。
「そ、そっか…。ありがとうジント君。これからも…よろしくね…」
ジント「こちらこそ…よろしく…」
そして今日はノートにこう書き記した。
『ジント君の一人称は俺！』
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月17日 15時
