愛と合図【M!LK】 ① (ページ46)

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「あははははは！！ジ、ジント君ったら、やだもー！しゅ、舜太が、あははは！！舜太が彼氏なわけっ、いひひひひ、あはははは！」

ジント「ちょ、ちょっとAちゃん…笑いすぎ…」

舜太「Aちゃんは昔から変な壺入るとなかなか抜け出されへんもんなー」

俺とAちゃん、そして舜太君の三人は食卓を囲んで、俺が作った晩御飯を一緒に食べることになった。
しかし、Aちゃんは俺の話を聞いてから、ずっとこの調子で笑い続けている。
だって、まさか思いもよらない。
この二人が姉弟だったなんて。
そう言えば、どことなく似ているような気もする。

舜太「それより、Aちゃんがまさか記憶喪失の人を面倒診てるなんて。ジントさんも大変ですねー、こんな人に面倒診られて」

ジント「そんな…。すごい助かってます。彼女がいなかったら、俺、今頃どうなってたか…」

本当にそうだ。
俺が倒れているのを見つけてくれなかったら、病院へ連絡してくれなかったら、そして、こうやって家に呼んでくれなかったら。
俺は今頃この世にはいなかったかもしれない。

舜太「ふーん…。でも記憶喪失なんてホンマにあるんやなー。フィクションの中だけかと思ってたわ」

「舜太、失礼なことばっかり言ってないで、あんたこそどうなの？そもそも何しに来たのよ？連絡もよこさないでいきなり」

舜太「え？だってAちゃんの方が全然家帰ってきてくれへんねんやん！言葉遣いもすっかり東京に染まってもーて！父さんも母さんも心配してんで？だからちょっと様子見にきたんさ！」

そう言えば、この舜太君はかなり訛っている。
えっと、こういう方言って何て言うんだっけ…？
あぁ、それも覚えてないみたいだ。

「こっちきてもう5年なんだから染まるのは仕方ないでしょ。それに最近は色々あって帰れなかっただけ。今年は年末に帰るわよ…。多分…」

舜太「あ、もしよかったらジントさんも来たら？父さんも母さんもびっくりするんちゃう？Aちゃんに料理得意な彼氏ができたって！」

ジント「ぶっ！！！」

俺は舜太君のその言葉で、食べていたものが喉に引っかかり、思い切りむせてしまった。