甘い誘惑【ONE PIECE】 (ページ8)

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シャ「うるせぇ！邪魔すんな」

今のシャンクスは

まるでお気に入りのおもちゃを取られまいと

必死な子供みたい。

大の大人が酔っ払いながら意地張ってるのを見ると

おかしくてくすくす笑っていると

シャ「ん？なんだ？」

むすっとした顔でわたしを見上げるシャンクス。

『ううん…なんでもない』

シャ「いいから早く座れ」

そんな急かさなくてもわたしはどこにも行かないのに。

そう思いながらシャンクスの隣に座ると

「はい、お待ちどおさん」

『ありがとうございます』

目の前に出されたジョッキを手に取り

シャンクスが持っていた盃にこつんと合わせる。

『乾杯』

そう言って一気にジョッキの中身を体に流し込んだ。

ごくごくと喉を鳴らして

半分ほど飲み干したところで

ぷはっと爽快な声をあげれば

シャ「だはは！いい飲みっぷりだなぁ！」

って隣から豪快な笑い声が聞こえてくる。

やっぱりみんなと一緒に飲む酒は美味しい。

賑わう店内の楽しい雰囲気に呑まれながら

気づけば二杯目、三杯目と手が伸びていて…

『同じのもう一杯…』

シャ「おい、そろそろやめとけ。飲み過ぎだ」

『だってみんなが帰ってきたんだよ。こんな楽しい日に飲まないなんてできない』

シャ「また潰れても知らねぇぞ？」

『わたしが潰れてもシャンクスがどうにかしてくれるでしょ？』

シャ「どうにかねぇ…なら少しくらい手ぇ出されても文句は言えねぇよな」

『え？』

ワントーン低くなった声に違和感を覚えて

ふと横を見れば

息のかかりそうな至近距離にシャンクスの顔があった。

『…っ、…』