甘い誘惑【ONE PIECE】 (ページ5)

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シャ「A？ぼーっとしてどうした？」

『え？ああ、ちょっと昔のこと思い出してた』

そう言いながらシャンクスの前に

チョコレートの乗った皿とコーヒーを置いて

自分も向かいの席に腰掛ける。

シャ「昔のこと？」

『うん…初めてシャンクスに会った時のこと』

シャ「あの時のお前は子鹿みたいに震えてたな」

『あれは仕方ないでしょ。まさか四皇が自分で買い物しにくるなんて誰も思わないよ』

シャ「まぁ、そりゃそうだ」

シャンクスは喉の奥でくつくつ笑いながら

チョコレートをつまんでぽいっと口の中に放り込む。

その一連の動作に見惚れていると

シャ「お前も食うか？」

『え？』

すっと目の前に差し出されたチョコレート。

シャ「ほら、口開けろ」

『わ、わたしビターの方が好きだから』

シャ「いいだろ、ほら」

シャンクスの言う

「いいだろ」の意味は全く分からないけど

わたしが口を開けないと

この攻防戦は永遠に終わらなそうで

観念して小さく口を開けばころんと甘い塊が入ってきた。

甘すぎる…

毎日味見する時だって甘く感じるのに

シャンクスが食べさせてくれたチョコレートは

魔法でもかかってるみたいに余計に甘く感じた。