甘い誘惑【ONE PIECE】 (ページ2)

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初めてシャンクスに抱きつかれたとき

『海賊はみんな距離感がおかしいの？』と

ぼやいたわたしに

「バーカ…おれはむさ苦しい男に抱きついたりなんかしねぇよ。お前だけだ」

そう言われたのが妙に嬉しくて。

それからというもの

航海から帰ってくる度にシャンクスからのハグを

受け入れるようになったんだっけ。

今思えばなんてちょろい女だったんだわたしは。

『そろそろ離して…』

シャ「お前はいつも甘い匂いがするな」

わたしの首元に顔を埋めながらそう呟いたシャンクス。

そこで話されるとくすぐったくて

変な気持ちになるからやめて欲しい…

『ご覧の通り甘いものに囲まれてるから。もういいでしょ？』

分厚い胸板を軽く押し返して体を離そうとすると

わたしの背中に回っていた腕にぐっと力が入って

またぴたりとくっつく体。

シャ「…久しぶりに会えたんだ。そう寂しいこと言うな」

『……』

まるで恋人にでも言うような甘ったるいセリフ。

それを惜しげもなくわたしに言うんだから

ほんとずるいと思う。

シャ「おれは惚れた女には一途なんだ」

その言葉どうり一分一秒も無駄にすることなく

わたしを落としにかかるこの男に心から感服する。

そして、

その度に身を切られるような切なさに襲われるの。

どうせ叶わないのに…

シャンクスがどれだけ頑張っても

わたしが頷くことはないのにって…

一線を越えなくてもこの幸せが続くなら

ずっとこのままでいたい。

そう思うわたしは最低なのかもしれない。

だけど分かって…

わたしには

どうしてもあなたの気持ちを受け入れられない

理由があるの。