甘い誘惑【ONE PIECE】 (ページ24)

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コリンヌが来てから

世界が色づいたみたいに毎日が楽しくて幸せだった。

それなのに…

マ「マンママンマ…来たかいA」

『待ってよ…、…な、なんでコリンヌがルーレットを回そうとしてるの？』

ママの目の前に置かれた死のルーレット。

そのルーレットの前に跪くコリンヌの姿。

その光景を理解するのに時間がかかった。

だって…こんなのありえない。

マ「この女は海軍の犬だったのさ！おれのナワバリでコソコソと嗅ぎ回りやがって。本当に腹が立つねぇ」

『…うそ…何かの間違いだよ！』

マ「お前も可哀想に。この女に騙されてたんだよ」

『…違う…』

コリンヌのそばに駆け寄って顔を覗き込むと

ぐっと唇を噛み締めて涙を堪えていた。

けれど、その悔しそうな顔は

ママの言っていることが本当だと認めているようなもので…

コ「A離れて…」

『やだっ』

コ「わたしのことまだ友達だと思ってくれてる？」

『当たり前だよ！』

コ「なら離れて…友達に、見られたくないんだ」

力無く笑ったコリンヌの目から

大粒の涙がこぼれ落ちた。

だめだよ…そんなのだめ…

コリンヌが海兵でもいい。

なんでもいいから死んじゃだめ。

マ「ルーレットを回したくないんじゃおれが直接殺してやるよ」

そう言ってコリンヌの体を鷲掴みにしたママ。

今から起こる最悪の事態をなんとしても止めたくて…

『お願い殺さないで！その子はわたしのたった一人の友達なの』

マ「マママっ…お前も哀れな娘だねぇ。そこで見ておきな。裏切り者はこうやって殺すんだよ！」

『やめてぇ！！』

その時はじめて自分の無力さを突きつけられた。

寿命を吸い取られる直前

コリンヌはわたしを見て優しく微笑んだ。

それはいつもわたしに向けていた慈愛に満ちた眼差しで

口の動きは確かに〝ありがとう〟

そう言ってたのかな。

今となっては残されたわたしの

都合のいい解釈だったのかもしれない。