あと1センチの恋【JK】完 (ページ42)

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グクの広い胸板に寄りかかるように体を預ければ、なんとも言えない安心感に包まれる。

後ろから感じるグクの体温、息遣い、心臓の音。

グクの匂いも声も全てが愛おしい。

JK「A、俺怖かったんだ…」

『…うん』

JK「このまま二度と目を覚さなかったらどうしようって…」

耳元で聞こえてくるグクの声は心なしか震えていた。

大丈夫だよ…

そう伝えたくて、私はお腹に回ったグクの手に自分の手を重ねると小さく撫でてあげた。

JK「俺たちずっと遠回りしてきたね」

『…そう、だね』

JK「…………A…好きだよ」

グクは私の首元に顔を埋めながら、はっきりそう言った。

グクが私を好き……

夢みたいだ……

今まで何度も意地を張って素直になれなくてすれ違ってきたけれど、

心のどこかでずっと求めていたその言葉。

嬉しくてたまらなくて、また涙が溢れてきた。

『…っ…グク…私、グクに謝らないといけない…』

JK「…………」

『…あの日……ほんとは嘘ついてっ』

JK「いいんだ…もういいんだよ。

Aが今この腕の中にいてくれるだけで充分だから」

グクは柔らかい声でそう言うと、私の存在を確かめるようにほんの少しだけ両腕に力を込めた。

本当に…

グクはどうしてそんなに優しいの…

私もここにいたい…

隣なんかじゃなくて、こうやってグクの腕の中にいたい。

『…グクっ…………好き…っ』

JK「うん…」

『好きなのっ……』

JK「…っ…うん…」

『……大好き…』

JK「俺も大好きだよ」

長い間自分にかかっていた呪いが解けたように、私の口からは次々とグクへの想いが溢れ出す。