31 JK side ページ31
『…き、昨日……私たち何もなかったよね?』
『…記憶飛んじゃったみたいで覚えてないんだ。服も着てたしありえないか…ははっ』
図太いナイフで心臓をえぐられたみたいだった。
それは、記憶をなくしたとか覚えてないとかそんなことが理由じゃない。
その言葉全てがAの嘘だって分かったから。
何十年一緒にいると思ってるんだよ。
Aは嘘をつく時必ずと言っていいほど握り拳を作る。
Aの手の中でチョコの包み紙が音を立てて、その拳が震えていたからすぐに分かった。
忘れたい、俺との関係を変えるつもりはない、そう言われたみたいで言葉が出なかった。
ただただ悲しくて、やるせなくて…
俺を好きだといったAの言葉が真実かどうかなんて今更聞けないけれど、
Aが望むなら、また今まで通りの関係を演じよう。
そう思って俺は、震える小さな背中を抱きしめたくなる気持ちをグッと堪えて、Aの頭を撫でた。
・
JK「俺っていつまで幼馴染でいればいいんだろ…」
TH「ほんとにねー。どうしたもんかねー」
ぼーっとしいて、ヒョンが休憩室に入ってきたことにすら気づかなかった。
いつの間にか俺の隣でココアをすすってるテヒョンイヒョン。
JK「おはようございます」
TH「おはよ。ねぇ、ヒョンに何か話したいことある?」
JK「…………ありません」
TH「そう…あーそういえば今日スアちゃん来るって」
JK「え?」
TH「あれ、本人から聞いてないの?」
そういえばカトクきてたっけ。
Aのことで頭がいっぱいいっぱいで何も見てなかった。
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作者名:抹茶 | 作成日時:2021年3月8日 17時