あと1センチの恋【JK】完 (ページ3)

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グクの隣に座ろうとテーブルに近づけば、

TH「Aちゃんはこっち」

すっと伸びてきたオッパの手に、
優しく手首を引かれてオッパの隣に座らされる。

目の前のグクと一瞬目が合うけど、
すぐに逸らされてしまい
今日の彼の機嫌はあんまりよろしくないみたいだ。

TH「さてさて…最近はどうよ」

『どうもこうも、朝から晩まで撮影漬けですよ』

先程まで家で飲んでた缶ビールよりも、
格段に美味しいお酒を飲みながらの近況報告。

TH「だよねー。Aちゃんが今出てるドラマさ、めちゃくちゃ面白いよなジョングガ」

『ははっ…グクは私のドラマなんか見ませんよ』

JK「見てるけど？」

『え？』

JK「全部見てるよ」

グクのまんまるの瞳に真っ直ぐに見つめられて、
そんなこと言われたらなんだか反応に困る。

だって意外だった。

この前までは、

〝お前のドラマ見る暇あるなら、筋トレするわ〟

なんて言ってたくせに。

しかも、よりによってなんで今回なの。

TH「いやー、あのドラマ結構大人チックじゃん？
毎回見るたびに俺のAちゃんがぁってなるよね。
際どいシーン多すぎて俺ほんとに心配だよ」

『……オッパ、私も大人になったんですよ』

TH「ふふっ…それじゃあ、大人になったAちゃんはいつになったら俺とデートしてくれるの？」

グクがいるにも関わらず、
頬杖をついて横から私の顔を覗き込んでくるオッパ。

長めの前髪から覗くオッパの瞳は優しいけど、
その奥はいつも読めない。

オッパは私のことを妹のように可愛がってくれるけど、何を考えているのか分からないのが正直なところだ。