021 脳腫瘍患者 ページ24
数分して来たのは
「先輩、手、大丈夫なんですか？」
例の手を包帯グルグル巻きにされた先輩だった。
「うん、今も出血中」
休めよ。
「あら？マオさんは？」
「お子さんの容態が悪化したそうでお帰りになりました。」
病気なのか？
「あぁ、脳腫瘍なんだよ。場所が場所でね。切れないし放射線治療も意味がなくて、余命宣告を受けているんだ。」
「なんで、その人は、子供のところにいないんですか！」
「彼女をあまり悪く思わないでね？ここの生徒は八割型、放置子なんだよ。マオさんも例外じゃあない。」
僕は違うけどと付け足した。
「マオさんは子供との接し方が分からないんだ。アスペルガー症候群でね。極端なんだよ。そしたら、子供に来るなって言われちゃったらしくてね。GWまでには帰ってくるよ。お子さんが息絶えるが早いか、床につく必要がなくなるが早いか。」
「先輩は、冷酷ですね。」
人が死ぬか生きるかって話をここまでニコニコしながら話す人は見たことがない。
「よく言われるよ。でもね、どうせここの人の自己紹介を受けたらバレるから言うんだけど、僕ね。もう、□◇は見られないんだ。」
絶句した。
「お医者様がもうダメだってね。我が家貧乏だし。弟にも教えてないし。」
「それに、もう、迷惑かけたくないんよ。」
変な訛りは素なんだろう。
「まだ、僕だって死にたくないよっ」
先輩は泣いた。子供にみたいに泣きじゃくった。俺は、見てることしか、出来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
浜花乃 - 面白かったです！文才ないって言ってましたけど、私より断然ありますよ！それに、上手だなと思います！私もですけど、更新頑張ってください！ (2020年2月15日 20時) (
レス) id: effc3ac0ee (このIDを非表示/違反報告)
皇海 宙(プロフ) - 不思議な感じがします、続きが気になります！更新頑張ってくださいo(｀・д・´)o (2020年2月2日 15時) (レス) id: 38af579ced (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミカゲ | 作成日時：2020年1月30日 16時
