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第二十六話 トゥルース ページ30






「でも、方法が―――!」

「絶対に敗けぬと高を括る敵程、容易い相手はいないよ」


 (そもそ)も、と白衣の男は顎に手を当て考える素振りを見せる。



「先程聞いた所では、あの(へや)に居る彼等は君が囚われた時、必死に助けたと云う話ではなかったかね?」


 その言葉に、敦はハッと息を呑み込む。以前は自分が助けて貰った―――為らば、今回は僕の番だ。目に強い意志が戻った敦を見て、モンゴメリが口を挟む。



「お話は終わり?やる気は戻ったかしら。そうでなくちゃ面白くないわ。―――でも、終わりよ」


 音も無く、敦の床下から巨大な人形が姿を現す。息を吐く間もなく上空に飛躍するが、気配を感じ、首だけ背後に向けると、もう一体の人形が其処に居た。



「もう一体!?」

「そちらは二人なのだから当然でしょ?」

「しまっ・・・」


 予想にもしなかったもう一体の人形に、敦は躰を掴み取られてしまう。其して、谷崎と同じように、独りでに開いた扉から無数の手が伸び、敦は引き摺り込まれて、扉がバタンと無慈悲に閉じた。

 敦が扉の奥に姿を消したのを見て、モンゴメリは満足そうに振り返る。



「それで、お二人はどうなさるの?おじさまは見逃してあげてもいいけど、貴方は駄目。貴方もアンのお友達になって貰うわ」

「そうだね。じゃあ、今度は僕が相手になるよ」


 重い腰を上げようとした白衣の男を制すように、Aはモンゴメリの近くまで歩いて行く。



「それじゃあ、ルールはさっきと同じ!可愛いアンと追いかけっこをして、タッチされたら貴方の負け。捕まる前に、その鍵でドアを―――」

「必要ないよ」


 Aは、ゆるりと微笑んで目を細める。無防備に歩いて来るAに攻撃を仕掛けようにも、モンゴメリの躰は床に縫い付けられたように動かない(・・・・)



「君は敦君がいい待遇を受けて来たと思っているけど、其れは違う」

「えっ―――?」



「逆だよ。君と同じ、過酷な環境を過ごした子だよ」


 瞬間、モンゴメリの目が大きく開かれた。そして、目を閉じたAが福沢の異能『人上人不造』によって調節出来るようになった、自身の異能をモンゴメリの足元から部屋全体を覆うように発動する。







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牧高(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます☺️続きはどのように見れば良いのでしょうか……? (5月29日 6時) (レス) id: 40bd569e74 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - とても面白く読ませていただきました。 続きが気になります。  この小説好きです。 (2022年11月28日 18時) (レス) @page48 id: 6eda935019 (このIDを非表示/違反報告)
空天 馬(プロフ) - cheap sweetsさん» そう言っていただけるのが何よりも幸せです。読んでくださってありがとうございます! (2018年9月25日 17時) (レス) id: e9bd85a3ea (このIDを非表示/違反報告)
cheap sweets(プロフ) - とても面白いです。楽しく読ませていただきました。 (2018年9月25日 17時) (レス) id: e7a61814de (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 更新お願いします! (2018年8月15日 13時) (レス) id: 7a5b092a46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空天 馬 | 作成日時:2016年7月13日 3時

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