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第二十話 麦わら帽子の行方 ページ24





 賢治に外まで送られる為、フィッツジェラルド率いる三人は昇降機(エレベーター)に賢治を含めて四人で乗っていた。

 フィッツジェラルドは賢治を気にすることなく談笑を始める。



「如何やら、道標(タイガービートル)指針(フォーチュネイト)は知らぬ内に惹かれ合っているらしい」

「フィッツジェラルドさん、其れはどう云う・・・?」


「簡単なことだよモンゴメリ君。『本』を探すときに必要な鍵が、二つも同じ場所に偶然(・・)居ると思うか?」


 モンゴメリは暫く顎に手を充てていたが、はっとしたように顔を上げた。確かに、云われて見ればそうだ。此の広い横浜で偶々二人がすれ違うことはあっても、知人になる何て確率は極めて低い。

 其れなのに、あの二人は同じ武装探偵社に属している。偶然と云うには余りにも出来過ぎている。



「処で、貴方。その帽子素敵ね」


 フィッツジェラルドの言葉を納得した、髪をニつに編んだ少女―――モンゴメリは振り返ると、賢治が首から下げている麦わら帽子を見る。



「そうですか?ありがとうございます」


 一階に為った処で昇降機(エレベーター)の扉が開く。フィッツジェラルドを先頭に、三人は昇降機(エレベーター)を降りる。




「どう?似合うかしら?」


 賢治の麦わら帽子を被ったモンゴメリが、笑みを浮かべてジェームズに感想を聞く。



「麻袋でも被ったほうがマシだな」

「何よ。いつもそうやって」


 帰ってきた冷めた一言に不貞腐れたモンゴメリは、面白くなさそうに麦わら帽子を投げ捨てた。


 三人が完全に武装探偵社を出た頃、昇降機(エレベーター)の扉が閉じるが、上の階に動く気配は一向にない。何故なら、先刻まで乗っていた筈の賢治の姿が消え(・・)無人の箱に為ったから。




「先ず一人」





第二十一話 メッセージ→←第十九話 異能開業許可証



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牧高(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます☺️続きはどのように見れば良いのでしょうか……? (5月29日 6時) (レス) id: 40bd569e74 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - とても面白く読ませていただきました。 続きが気になります。  この小説好きです。 (2022年11月28日 18時) (レス) @page48 id: 6eda935019 (このIDを非表示/違反報告)
空天 馬(プロフ) - cheap sweetsさん» そう言っていただけるのが何よりも幸せです。読んでくださってありがとうございます! (2018年9月25日 17時) (レス) id: e9bd85a3ea (このIDを非表示/違反報告)
cheap sweets(プロフ) - とても面白いです。楽しく読ませていただきました。 (2018年9月25日 17時) (レス) id: e7a61814de (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 更新お願いします! (2018年8月15日 13時) (レス) id: 7a5b092a46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空天 馬 | 作成日時:2016年7月13日 3時

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