明治の恋道(めいこい) (ページ41)

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道39 ページ41

ゆっくりと、でも確信めいたふうに言った。

芽衣「いえ、まだいます。だって、いなかったら愛想笑いぐらい(人２)さんならできるはずです。それなのにそれすらしていないってことはまだ、美大生の(人２)さんがいるからじゃないんですか?｣

言い方こそ違うが昨日、川上が言ったことと同じことを言われた。
わかり易いのか、それとも二人が鋭いのか、ぼんやりと思いながら目の前にいる少女を見た。

芽衣｢だから、私のために絵を描いてください。」
A「・・・・・・・断る。」

たった一言、搾り出した言葉だった。
泣きそうな目で。
それしか言えなかった。

その後、逃げるようにして家に帰った。

ただ、絵筆をとりたくなった。

だが、部屋の前に思いがけない人がたっていた。

そう、ここの家には入ることも許されていない岡倉先生が・・・。

A｢おか・・く・ら・・せ・ん・・せ・・・い・・？」

情けない声だが確かに呼んだ。
自分が尊敬して、師事した先生の名を。

しかし、答えは返ってこなかった。
ふっと、消えてしまった。

どうやら物の怪の仕業らしい。
芽衣の物の怪の・・・。

疲れた。
絵を描かない生活がこれほどまでに疲れるとは思わなかった。
知らない世界だ。
こんな世界、知らなければ良かった。

疲れた。

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すいません。
大学受験で更新を勝手ながら延期させていただきました。

大学から合格通知をいただいたので、これからはなるべく早く更新するように心がけます。