道27 ページ29
日が少しずつ。
しかし、確実に過ぎていく。
菱田の出した原案は“双龍”。
さすがというべきかなんというか。
朦朧体であらわしたらすごい迫力だろう。
僕もこの案には賛成をして岩絵の具を選びに行く。
菱田「・・・この店で買うのか?」
A「?ああ、そうだけど。どうかした?」
菱田(・・・どうかした?値段考えろよ)
A「・・・ああ。値段のことか?」
菱田「ああ。」
A「気にするな。僕が出す。」
菱田「はぁ?!」
A「だから選べ。」
菱田は何か言いたそうにしていたが僕のまっすぐな目を見て諦めたらしい。
僕としては最後の作品となるので最高の画材でやりたいと思うのは当たり前だ。
画家なのだから。
・・・最後だとは菱田には言っていないが。
画材を選んで会場に足を向ける。
会場の大きさで絵の大きさを決めるためだ。
会場に入ろうとしたとき菱田が足を止めた。
菱田「・・・聞いてない。」
A「は?」
菱田「パノラマ館なんて聞いてない。」
A「・・・言ってなくても書いてあったよ。」
呆然としている菱田を置いて一人でパノラマ館に入っていく。
まったく、この前の紙に書いてあったというに。
僕や菱田の作品は一番広い部屋に飾られるらしい。
これは大きく描いたほうがいい。
・・・そうだな。例えば、壁画ほどの大きさでもいいかもしれない。
一人で思案していると外から悲鳴が聞こえてきた。
?「いぎゃぁぁぁぁあああああああ」
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はい、これからも見捨てないでください!
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紅藍@元あからん(プロフ) - 超面白いです!応援してます! (2015年4月2日 14時) (レス) id: a6b244fd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芥川黒策 | 作成日時:2014年1月29日 20時