666年後、捻れた世界にて再会した

14話 ページ15

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「おや、来て下さったのですね！Aさん！」

『こんにちは、アーシェングロット先輩』


大仰な身振りで迎える先輩に、僕はにこやかに挨拶を返す
ちなみに、タコの人魚は矢張り珍しく、アズールはジョーの親戚らしい


「貴方のことはジョー兄さんから良く聞いてましてね」


ダウト


「この度は僕の兄さんがご迷惑をおかけしました」


別に迷惑だとは思ってない

机の下で爪を弄りながら、心の中で返事を返す


「それにしても、１ヶ月も授業を休んでしまえば……今回期末テストかなり危ないのでは？」


おっと、雲行きが


「何か力になれればと思いまして、ご迷惑じゃなければ僕の“虎の巻”をお貸ししますよ？」


そう言って、にこやかに笑う彼からいつの間に用意したのか分からない金色の紙が握られていた

あれって、アースラ殿の契約……書……？
っおいおいおい！
さすが親戚だなぁ！？
容易に契約させようとしてくるじゃないか！

ジョーも昔出会った当初の頃は、物の貸し借りだけでも契約書書かせてこようとしたが、此奴もその類か！


思わず顔が引き攣る


『トレイン先生達が放課後に特別授業をしてくださるので不要です。
それと、多分ですが、先輩は僕の得意魔法を契約の対価として差し出して欲しいんでしょう？
別にそれは良いんですが、自分に扱えもしない魔法って要ります？』


クリームパンの最後の一口を放り込み、席を立つ

まぁ、つまり
何が言いたいかって言うと


『互いに利益のない契約なんて結ぶわけねーだろってーことですよ』


それじゃあ、さようなら〜

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