そして彼女は呪詛師になった ページ44
「ねえ悟くん、君は最強だから五条悟なの?五条悟だから最強なの?」
確か傑くんはこんな言い方をしていたはず。どうせなら骨まで演じ切ってやろうじゃないか。
「生き方は決めた。まあ、あとは自分にできることを精一杯やるよ。今日はそれを伝えに来たんだ。別れの言葉もついでに言っておこうと思って」
ゆっくり人混みの方へ歩き出す。
おい!と悟くんが叫ぶけど耳を貸さず人混みにゆっくりまぎれていく。
最後にふり返って、今までの感謝を込めて、とびっきりの笑顔を浮かべた。
「みんな、大好きだよ。だからここでさようなら。」
「A、おい、待て」
「また会う時があれば、その時はきっとみんなのうち誰かが殺してね」
「っ……!!」
みんなに背を向けて、歩き出す。
ああ、もしかしたらここで殺されちゃうかも?
まあ、それはそれでいいかもしれない。
大好きな人に殺されることほど幸せなことってないもの。
そんな考えとは反対に、いつまでたっても呪力が私の体を貫くことはなかった。
_____
そういえば、傑くんの身代わりになったわけだし私もお坊さんみたいな恰好しなきゃダメかね?
三十路近くまであの恰好は正直ちょっと嫌だ。
最終的にシスター服っぽいのを着ることにした。それでもまあ30近くになるまでってのは痛い気もするけど。
まあ、いっか。
「ねー時雨おじさん」
「誰がおじさんだクソガキ。なんだよ」
「盤星教って解体されたんじゃなかったっけ」
「別の団体でも根っこは同じなんだよ。……つかお前分かってて聞いてるだろ」
「うん」
「っとに可愛くねえなお前。つか本当にその恰好で出るのか?」
「いいじゃん別に。ハッタリって大事でしょ?」
時雨さんからマイクを受け取って、お得意の営業スマイルを張り付けて喋り出す。
「えー、皆さんお待たせしました。単刀直入に言います。
今からこの団体は私のモノです。ですので今後は名前も変え私に従ってください」
案の定反対多数。
疑いと何言ってんだみたいな視線が突き刺さる。傑くん、よくこんな冷たい空間で堂々としてられたな……
だから傑くんと同じように園田さんを壇上に呼び寄せる。理子ちゃんを殺そうと術師殺しに依頼した張本人。
持っていた呪具を軽く一振り。
すると林檎を切った時みたいにキレイに真っ二つになった。
一気に静まり返った観衆達に告げる。
「私に、従いなさい」
そうして私は、最凶の呪詛師になった。
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あいすくりぃむとちょこれぃと(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» コメント感謝です!神と人とでは感覚が違うんでしょうね。神様的には100%善意です。朱雀は神様が考えたルールとか法則の抜け道をなんとか探し出してる感じですね。なお、ループしてる一番の原因が神様だってことは多分一生気づかない。神様は直接関わってこないので。 (7月21日 2時) (レス) id: b2ed5b6349 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!どうかお楽しみに…… (7月21日 2時) (レス) id: b2ed5b6349 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございますm(_ _)mもう少しだけ続きます…… (7月21日 2時) (レス) id: b2ed5b6349 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - 神様が1番狂ってると思うのは私だけですかね・・・ (7月21日 2時) (レス) @page46 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 楽しみです (7月8日 21時) (レス) @page50 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいすくりぃむとちょこれぃと | 作者ホームページ:なし
作成日時:2021年4月29日 12時