確実に救済!……って、え? ページ30
とまあ油断してたのがダメだったのか灰原くんが死んでしまったのでやり直した。
確実に灰原くんの身代わりになってもらうにはどうするべきか……
よし、ここは私が出るしかない。
思い立ったが吉日、灰原くんの任務の担当者の欄に別の術師と、私の名前を書く。
ちなみに名前を書いた術師は青木さんと言って、この間たまたま任務が一緒になった人だ。
全く情がないわけではないけど、ほんの数回話しただけの彼よりも、灰原くんの方が大事なので切り捨てることにたいして躊躇いはない。
……なんで?
灰原くんともたいして接点ないのに?
ふと湧いた疑問に蓋をするように、私は呪霊に向き直った。
__________
「朱雀さん、逃げてください……!!こいつは一級案件です!!
自分たちの手に負える相手ではない!」
攻撃を何とか捌きながら青木さんが叫ぶ。
青木さんが攻撃を受けてくれるおかげで私はほぼ無傷だ。
「でも……!青木さんを置いていけません!」
思ってもいないテンプレセリフを吐いて時間を稼ぐ。
だって私はあなたに確実に死んでもらわないといけないから。
「いいから早く行きなさい!!子供を守るのは大人の使命です!!
あなたは早く逃げてこの呪霊のことを上の等級の術師に報告しなさい!!」
青木さんが絶叫する。その瞬間呪霊の腕が青木さんの腹を貫いた。
私は嘘の涙を浮かべて走り出す。
「すぐに応援を呼んできますから!!」
青木さんは助からなかった。
いや、助かったら困るのだけど。
「……A、今日はもう休んだ方がいい」
傑くんが優しく声をかけてくれる。心配してくれてるんだ。優しい。
でも私はそんなことよりも、これで本当に灰原くんは助かるのか、身代わりとして成立してるのかということばかりが心配で仕方なかった。
でも傑くんの前でそんなことを言えるはずもない。
「……私は大丈夫だよ。でも、あの時もっと早く行動できてたら……ってことばっかり考えちゃう。
ダメだなー……私って」
これまたテンプレなヒロインセリフを呟いて自嘲気味に笑う。
「……A」
どうしたの?と傑くんの方を振り返った次の瞬間、
私は傑くんに正面から抱きしめられていた。
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あいすくりぃむとちょこれぃと(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» コメント感謝です!神と人とでは感覚が違うんでしょうね。神様的には100%善意です。朱雀は神様が考えたルールとか法則の抜け道をなんとか探し出してる感じですね。なお、ループしてる一番の原因が神様だってことは多分一生気づかない。神様は直接関わってこないので。 (7月21日 2時) (レス) id: b2ed5b6349 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!どうかお楽しみに…… (7月21日 2時) (レス) id: b2ed5b6349 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございますm(_ _)mもう少しだけ続きます…… (7月21日 2時) (レス) id: b2ed5b6349 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - 神様が1番狂ってると思うのは私だけですかね・・・ (7月21日 2時) (レス) @page46 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 楽しみです (7月8日 21時) (レス) @page50 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいすくりぃむとちょこれぃと | 作者ホームページ:なし
作成日時:2021年4月29日 12時