五条悟の兄は、 ページ17
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あーあ、大失敗じゃねえか。
我ながらいいとこまで行ったと思うんだけどなあ。
ほんと、あの二人化物すぎんだろ。
乙骨クン、一体どこらへんが純愛なんだよ。ただただ呪いあってただけじゃねえか。
それにしても、
あいつら、逃げれたかな。
夏油と五条の足止めを丸投げしちまったし、無事だといいんだが。
こほ、と血を吐く。
口ン中、鉄の味しかしねえ。
体ボロッボロなんだけど。
あー、頭働かねえ。
里香さえ手に入れれば、あいつらの願った世界にもなるだろう。
だけど、少し、疲れたな。
「おー、割と疲れてんな
……夏油」
「ええ、疲れましたとも。…貴方のほうがよっぽどじゃないですか」
それは、怪我だの疲れ具合だの意味か、それとも別のものか。
「俺の家族たちは無事か？」
「揃いも揃って逃げましたよ
随分結束が強いようで」
「まーな。俺ら家族は強いんだよ」
何年ぶりだろうな、こんな風に話したのは。
他愛もないことで笑いあって、余計なことは考えず、“五条A”でいられた。
なんて馬鹿らしく、なんて幸せだったことか。
「……最後に言い残すことはありますか」
「……俺は馬鹿なんだよ。
意味ねえってわかりきってるくせして、それを認めることができなかった。
あいつらの願う世界をつくる、それが間違ってるとは思わねえ。
……だが、俺はその先の未来を想像できなかった。
結局、家族たちの願いとは正反対の、死にたいなんて矛盾した思いしか、俺の中になかった。
……それだけだ」
静かに俺の言葉を聞き続ける夏油。
もっと早くに伝えられたら、なんてな。
「…ああ、それから、
俺の家族たちのこと、頼んだぞ」
義理堅い夏油のことだし、まあなんだかんだ守ってくれるだろ。
少なくとも、
俺が育てたから、ああなっただけで。あいつらは光のあたる場所で生きていけるはずだから。
ごぽり、と口から血が零れる。
そろそろ意識が遠くなってきた。
ああ、死ぬのか。特段なにも感じなかった。
むしろ、ようやく終われるのかと妙に安心してしまった。
ふと、狭くなってゆく視界の中、【白と青】がみえた。
その色彩で、昔の記憶がぶわりと流れてくる。
「……おおきくなったなぁ、
＿＿＿＿＿＿悟」
五条悟の兄の、昔話と、それから。→←五条悟の兄は叫んだようです。
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あいすくりぃむちょこれぃと(プロフ) - 向日葵蜜柑さん» かなり前の作品にコメントしてくださりありがとうございます！少しでも気に入って頂けたなら幸いです (7月2日 23時) (
レス) id: b2ed5b6349 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵蜜柑 - 凄い、、、心に、、、グッて、、、、来ました、、、好みの小説過ぎました これからも、応援してます！ (6月27日 16時) (レス) @page26 id: 7e6adad9aa (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと - オリキャラ依存性さん» 望む人のところに望む才能が与えられたら世界はもっと平和になるんでしょうけどね…………それはそれとして「思いのほか早かったな」に続いて「お前はまだやることあんだろ。さっさと帰れ、あと50年は経ってからこい」って言って追い返してほしいです。 (2022年7月12日 22時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
オリキャラ依存性 - なんで、神様はいらない才能や容姿を与えておいて本当に欲しいものはくれないんだろう。ミミナナって、産まれたばかりのヒヨコの原理で救ってくれた人が大好きなんだろうな…。あと天国で何年後か死んだ五条先生に｢思いのほか早かったな、“悟”｣って言って欲しい。 (2022年7月1日 21時) (レス) id: 5bf7d29b43 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと - Latteさん» はわわ…！めちゃ頑張った作品なので嬉しいです！「この曲エモぉ…」みたいな状態で聴きながら書いてましたｗ (2022年1月17日 22時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいすくりぃむとちょこれぃと | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年3月29日 22時
