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「ほらほらここ!俺達のたまり場〜っ!!」
祐基が言ったその場所は、屋上。
私にはいつだって屋上が特別な場所だったみたいだ。
「ここでいっつもお昼ご飯食べてたな〜、Aと、海と、彩花と、それから稜雅。」
「稜雅…?」
「ん?覚えてる?」
「あぁぁあ!!船津稜雅だ!!」
「おおおおおお!思い出したの!!?」
「うん!なんか!すっごい思い出しちゃった!」
船津稜雅!!!!!!!!脳裏に焼き付いた記憶がやっと剥がれて思い出した。
だけど、名前を思い出しただけで顔や性格なんかはちっとも思い出せなかった。それでも祐基は自分の事のように喜んでくれた。
……いつか全部思い出せるのかな。
ーーーーーーー
「えーっと、ここは覚えてる?」
目の前の扉には "写真部" と書かれた板が下がっている。
「私の部活だ!」
「そうそう!」と祐基は楽しそうに頷くと、目の前のその扉を開く。
「うわぁ……」
…懐かしい。
写真部の部室は、その一言だった。
この場所は良く覚えている。私の青春の場所。
沢山のカメラが並んでいて、壁には沢山の写真。
まさに私の大好きなものだ。
「あ!ちょっとまっててね」
祐基はニコニコ笑いながら部室の奥に入っていくと、直ぐにまた戻ってきた。
「なに……?これ」
「これは、Aが撮った写真でーすっ!」
「これが…私…の、」
祐基がじゃーんと言う効果音が着くかのように見せてくれた写真は、サッカーをする海くんが写っている。
こんなに昔の写真がまだ残ってたんだ。
何でだろう。不思議な気持ちになって、部室の窓から沈む夕日を眺めた。
「今日はそろそろ帰ろっか」
「うん。そうだね。」
「よし!また行く時はLINE送ってね!!俺いつでも暇だし」
ふわっと笑った祐基は、しーんとした廊下を歩き出した。
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りの(プロフ) - るーさん» すみません〜〜(; ;)まだ調節中でお見せ出来ないんですよね…早いとこ書けるよう頑張ります!! (2019年10月9日 21時) (レス) id: d1d2f90851 (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - 唯一紅無二 のパスワードを教えて欲しいです! (2019年10月9日 16時) (レス) id: 318c3b9019 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - 8号車うみさん» わー(; ;)嬉しいです…、泣けるかなぁ大丈夫かな?って心配だったので、、 (2019年7月1日 16時) (レス) id: d1d2f90851 (このIDを非表示/違反報告)
8号車うみ - 涙が止まらないです、、 (2019年6月23日 23時) (レス) id: 532eebf7a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りの | 作成日時:2019年3月16日 17時