ー ページ30
「…A」
病室に戻ると、お母さんから手紙を受け取った。
青い封筒を開けると、青い便箋が中に何枚も入っていて、丁寧に文字が綴られていた。
「これっ、て…」
________________拝啓 、愛するAへ。
Aがこの手紙を読んでるんだったら、俺はもうここには居ないね。
いきなりのことで吃驚してると思う。本当ならこんな事話さないつもりだったんだけどAならどうしてでも知りたがるだろうから。
記憶を思い出す手助けをしてあげるね。
.
.
.
あれは、7年前。俺達が高校一年生だった時。
「あっちー、」
夏休み、サッカー部の練習が終わっていつも通り帰ろうとしたらタオルを置き忘れたことに気づいて祐基と稜雅に先に帰ってて貰うことにした。
最近は、中庭を部室替わりに使っていたことも多いから多分そこだろう。
「……綺麗。」
中庭には、見たことの無い女の子がぼーっと空を見上げていた。
「う、わ!!吃驚したぁ…」
「あー、ごめんね。何してるの?こんなとこで」
「空見てみて、虹出てる」
空を見上げると、くっきりと大きな虹が空に浮かんでいる。
「私ね、虹好きなんだぁ」
隣にいる女の子はふわっと笑って空に向かってカメラを掲げる。何故かその子に釘付けで目が離せなかった。
「じゃあね。」
「……待って、」
綺麗な虹をカメラに収めて満足したのか立ち去ろうとした彼女を気づけば引き止めていた。
「名前……教えて、」
「え…っと、Aです、あなたは?」
「海、小笠原海」
「へぇ〜。かっこいい名前。漢字は?どう書くの?」
「うみって書いて海だよ」
「うみかぁ!!私うみも好きだなぁ、本当素敵な名前。」
「はは、そんなに褒めんの?笑」
Aちゃん、か。
きっとこれは、なんかの運命なのかもしれない。
こんなに胸にひっかかる。これは……。
202人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りの(プロフ) - るーさん» すみません〜〜(; ;)まだ調節中でお見せ出来ないんですよね…早いとこ書けるよう頑張ります!! (2019年10月9日 21時) (レス) id: d1d2f90851 (このIDを非表示/違反報告)
るー(プロフ) - 唯一紅無二 のパスワードを教えて欲しいです! (2019年10月9日 16時) (レス) id: 318c3b9019 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - 8号車うみさん» わー(; ;)嬉しいです…、泣けるかなぁ大丈夫かな?って心配だったので、、 (2019年7月1日 16時) (レス) id: d1d2f90851 (このIDを非表示/違反報告)
8号車うみ - 涙が止まらないです、、 (2019年6月23日 23時) (レス) id: 532eebf7a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りの | 作成日時:2019年3月16日 17時