So that it does not melt.【実況者】

Third 《 ice 》 ページ5

「楽しそうな話ししてんじゃーん。俺も混ぜてよー！」






後ろから声をかけられた。


私はびっくりして、持っていたコーヒーが入っているカップを落としそうになる。


翠の目つきが変わった。







「わ、かわいい！！ねえ君達、暇でしょー？遊びに行かない？」





「……結構です」









翠が私の手を握って立ち上がった。









「…行こ」



「待てよ〜」











1人の男が私の手を掴んだ。









漫画みたいなベタな展開なら、ここで誰かが助けに来るんだけどね。








私はその手をはらった。








『結構だと言ったはずですが。耳ついてますか？ああそれとも、鼓膜にまでピアス開けちゃったんですかね』




「………んだと？」








ほらかわいくなーい。私かわいくなーい。本当ならここでさ、「は、離してくださいっ！」(萌え声)で言うべきなんでしょ？知らねぇよバーカ



私は男の人を睨みあげる。後ろで翠が「あちゃー」と呟いた。








「大人しく逃してれば良かったのに…」



「んじゃ、あんたが遊んでくれんだろ！」









翠の手をもう1人の男が掴んだ。








「汚ねぇ手で触ってんじゃねぇよ！！！！！」







翠がそう声をあげ、男に一本背負いをかます。




…ほらかわいくなーい。私も翠もかわいくなーい。



男たちは「ひぃぃ！」と声をあげて逃げて行った。周りの人たちは白い目で私たちを見る。











「……ねぇ、A」







『なに？』







「可愛くしてないと彼氏できないのっておかしいよね」







『それわかるわ』







「守られてないと生きていけないとかただの荷物だよね」







『強さこそ女の証でしょ(？)』







「男がワカメみたいにパッとしないのが悪いんだよね」







『男が弱いから私たちが強く見えるんだよ』







「ねえ、A」









『ん？』









「……彼氏……欲しいなぁ……」

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