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#21 ページ23

それは、不思議なおとぎ話のように。




…はたまた、残酷な童話のように




それは俺の目の前で起こった紛れも無い本当の話だ







「……拓也。ママ、パパに会って来るね」



『……パパ?』







俺は寝かしつけられたAの頭を撫でながら、頭を傾げた。








『だれ?』





「……拓也とAの、お父さん。ここにはいないけど、ママは会ってくる」





『…おれもいく!パパに会いたい!』









母親は、今までに無いくらい優しい顔をして言った。










「…だーめ。パパはママのだもん。パパと拓也が会ったら、ママヤキモチ妬いちゃう」



『えー!』










母親の冷たい手を取って、俺は行きたいと一生懸命せがんだ。



俺はきっと、父親に会いたかったからではなく



単に母親と一緒に居たかっただけで、










「……Aのこと、お願いね」




『……わかったー』










俺は母親の手を離した。母親は微笑むと、荷物も持たずに家を出た。









『…A、A』




「んー…なに…?おにいちゃ…」




『いいこにしててね?』



「ん…わか、った…」










俺はそっと家を抜け出した。





走って、母親の後を追った。





とある公園に着いた時、男女が話しているのが見えて、足を止めた。









父と母だった。






俺は何も言わず、木陰に隠れる。













「………アイスだって?お前が?」







「……黙って、逃げてごめん。でも、私…あなたの事がまだ好きだから…!!」










泣きそうな母の手を取った男は「父親」なんだろうか。






慰めの言葉をかけるのが普通のはずだ。








しかしその男は、とんでも無いことを言い出した。













「……なんで黙ってたんだよ…!!!すげえ事じゃんか!!!!」








「…………え…?」









「お前と俺の子供もそうなのか!?珍しい【生き物】じゃんか!!!」















…その男の目は、何か新しいおもちゃを見つけたような好奇心で溢れた目だった。

#22→←Twenty 《 ice 》



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きゎなさん(プロフ) - これは素敵。好き。(語彙力)更新頑張ってください!!!!! (2018年8月17日 1時) (レス) id: 8f06482bb5 (このIDを非表示/違反報告)
影月 - アビウ”で発狂。更新頑張って下さい。 (2018年7月30日 15時) (レス) id: eea949121f (このIDを非表示/違反報告)
Liy(プロフ) - 翠花( 'ω'o[suika]oさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2017年10月12日 18時) (レス) id: 36c432399e (このIDを非表示/違反報告)
翠花( 'ω'o[suika]o(プロフ) - Liyさん» はい!!待ってます!!更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年10月12日 17時) (レス) id: afa96ca833 (このIDを非表示/違反報告)
Liy(プロフ) - 翠花( 'ω'o[suika]oさん» 発狂!?!?wwこれからもキヨのデレは出てくるので、お楽しみに…!笑笑 (2017年10月12日 17時) (レス) id: 36c432399e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Liy | 作成日時:2017年8月20日 21時

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