So that it does not melt.【実況者】

Twenty 《 ice 》 ページ22

『い、たい！！キヨ！痛いって！！』





「……」








キヨは私の腕を掴み、ズンズンと部屋に歩いて行く。



もちろん身長が全く違うから歩幅も違って、すごく歩きずらいし速い。









『キヨ！』









私が叫ぶようにそういうと、いつの間にか部屋についていたようで、そこに投げ込まれた。




かちっ



小さく鍵の閉まる音がした。










『なに、なんなの！？』









私が怒りをあらわにすると、キヨは









「……こっちのセリフだよ」








と、泣きそうな目をして言った。









『……ど、したの』









私がキヨを見上げると、キヨは腰を下ろして、前から私に抱きついてきた。










『わ、』






「…バカ、バカA」





『え、え…？』










耳元で、キヨが鼻をすする音が聞こえる。










『……泣いてる？』









そういうと、抱きしめられた腕に力が入った。









「…………フジのこと、好きとか言わないよな」









キヨの切ない声に、心臓が締め付けられた。










「………やめろよ、…お願いだから」




『……キヨ、』




「キヨって呼ばないで」








『…おにい、ちゃん』











私がそう呼ぶと、「ん…」と、嬉しそうに顔をすり寄せてきた。










…ああ、「あの夢」を、また見たんだ。













アイスが、















――――母親が、溶けてしまう夢を。

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