So that it does not melt.【実況者】

Eleven ページ13

『花火大会？』




「そうそう！アブさんも来ますか？」





今日のお昼。レトやんからそんなことを言われた俺は、予定表を確認する前に、こんなことを考えた。








―――Aちゃん、浴衣似合うかも。








…



数ヶ月前。





実況者同士の飲み会に参加した俺は、最俺メンバーの幼馴染のことについて、話の花を咲かせていた。









『え？どんな子なの！？セクシー？かわいい！？』




「えー、どっちかって言うとセクシーではないかなぁ」









すっかりお酒の回ったヒラくんが、のほーんとした顔でそう言うのに、こーすけくんも賛同した。








「まないt…キレイ系ですよ」







まな板！？







「妖艶な感じではないよねぇー」



「お前ら、本人がいないからって言いたい放題だな！！」









そんな二人にフジくんが真っ赤になりながら言うのを見て、俺のいたずら心に火がついた。









『あれっフジくん、もしかしてその子のこと…』



「は！？」










フジくんは真っ赤な顔を隠すように、ジョッキ入りのビールを一気に飲み込んだ。









「照れてるこいつ」









うっしーがフジくんをからかうのを見て、レトやんが大笑いした。









「……じゃあ、写真見ますか？」








ふと、今まで黙ってお酒を飲んでいたキヨくんが声を発する。








「うお！びびった…写真とかあんのかよ」








うっしーはキヨくんのスマホを覗き込んだ。









「…………あ、かわいい」



「え！？うそ！！！俺も見る！！！」










レトやんもそれに乗って、覗き込んだ。










「……どタイプ」



『え、そんなに？』











俺がそう言うと、キヨくんからスマホを奪ったレトやんが、その画面を俺に押し付けて来た。



そこにいたのは、色白な黒髪の女の子。真面目そうな、清楚な雰囲気が漂っていた。



目立つ顔ではないけど、目はぱっちりしてるし、鼻筋も通ってる。




こーすけくんが言ってたみたいに、全体的に「キレイ」が似合うような人だ。













…あれ、でも、なんか…どっかで見たことある顔してない？

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