もしアイナナの世界にトリップしたら

デザイナーになる？ ページ22

「……せっかくのお誘いなんですけど。


デザインとか、私にはできないです。

………ごめんなさい」


ふうむ。と社長が言う。

「……わかった。じゃあ仕方ないね」


「Aさん…………」


紡ちゃんが私を心配そうに見ている。


いけない、いけない。


「あの、良ければ雑用とか、掃除とかやらせてください！

こう見えて得意なんです！人に使われるの！！」


「その言い方だと、誰かの僕(しもべ)のように働いてたみたいに聞こえるよ……」


万理さんがつっこんでくる。



「そうだね。


その件はまた後々話そうか。今はまだいろいろあったところだし、落ち着いてないだろう？

もう夜もふけてきてるし。

小鳥遊事務所付属の寮に君の部屋を用意したよ」


えっ。

「いいんですか？お部屋もらっちゃって。

私、事務所の端っこのほうで寝ようか考えてたんですけど……」


万理さんと社長がいやいやと首を振る。

「女の子なんだからそんなことできるわけないだろう？

確かにアイドリッシュセブンのメンバーばかりだから男の子ばかりだけど、大丈夫。鍵もかかるし。

なにか困ったら、メンバーや紡くんに言ってくれればいいから」


この世界はなんて良い人ばかりなんだろうか。


「事務所には俺が案内するよ」


万理さんが部屋をでていく。


私もついていく。


「Aくん。仕事のことはまた来週話そうか。それまでちょっとゆっくりしてていいからね」


もはやパパの域に入っているような気もする。


「Aさん！また連絡しますね！」

ぴょこぴょことかわいい紡ちゃん。



「それでは失礼します」


私は万理さんに連れられて寮に向かった。

いざ寮へ！→←理解の早いお方

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す