悪役令嬢なんかじゃない！【nqrse】

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そして時は経ち、朝になり。

寝不足の目を擦りながら登校した私は、教室の前で衝撃的な光景を見てしまった。


「…………………………………え？え？」


教室の出入り口のところで、腕を組んだ沙良となるせ先輩がバチバチと火花を散らしている。

会話の内容は距離的に聞こえないけれど、二人の口がくるくるとよく回っているのは遠目からでもはっきり見えた。


うん、その、はっきり言うとすごく怖いです。


なるせ先輩はともかく沙良の額にはいくつか血管が浮かび上がっているようにも見えるし、沙良がニコニコ笑顔のときは私をからかうか愛想笑いかキレてるかの3択。今回は多分半分くらいキレてる。

正直に言うなら近づきたくない。というかむしろいつものスンッとした顔になるまで離れてたい。


触らぬ神に祟りなし。しかし、二人が扉の前にいるため、どいてもらうには「話しかける」の他に選択肢がないのである。これがゲームだったら隠しコマンドとかあったのだろうか。

残念ながら現実にそんなものはない。クソゲー。

前から入ると注目を集めてしまう。後ろから入ったときの方が目立たない。


「そ、その……ごめんなさい、退いてもらえますか？」


緑色とピンクが、同時にこちらを向いた。



♡♡♡

短くてすみません。likeとloveの間頃です。

Aは何となく自覚したものの、先輩の隣に私は釣り合わないし、何よりそんな対象として見てもらえないと思って元々諦めています。自分に自信がないです。

あとは、男子から優しくしてもらったのがほぼ初めてだったため、そのせいとも思ってます。

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