悪役令嬢なんかじゃない！【nqrse】

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その後、沙良は抜け出してきたらしい家庭科同好会に戻り、部活が盛んなこの学校では珍しい帰宅部の私は図書室の奥へと戻り。

そしてそのまま、特に何の変化もなくいつも通り二人で合流して帰った。






そして、その翌日の放課後。

昨日のラブロマンスの続きを椅子に座りつつ読んでいたが、どこからか足音が聞こえてくる。が、足音の姿は見えず、音だけがこちらへ近付いてくるのだ。


そして、ピンクの髪の毛が、ぴょこんと書架(しょか)の間から覗いた。

「あ、久留々木さんやっほー」

「せ、先輩………」

ひらひらと手を振りつつ、更にこちらへ近付いてくる先輩。

今日も昨日のカーディガンを着ている。

「昨日はありがとね、久留々木さん」

「いえいえ…」

「体調、大丈夫だった？ごめんね、顔色悪いの気付けなくて…」

心配そうに、申し訳なさそうにこちらを見てくる先輩にキリキリと胃が痛くなってくる。

ホントにごめんなさい、あれは人見知り発動したなだけなんです……むしろいたたまれなさで体調今の方が悪くなりそう…


「いえ、大丈夫なんです…ホントに心配しないで下さい…」

小さくなるように、心なしかやや背中を丸める。先輩は「そう？」とか言いながら首を傾げていて、でも近くの本棚に本を取りに行っていたので、とりあえずこの話題から逃げられたことにほっとして背筋をまた伸ばした。

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