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はい、先輩です、だなんてふざけて笑う先輩。今だけは後光が差して見える。
少し長い…肩につくかつかないか、ギリギリ結えるか結えないかというくらいの長さのふわふわのピンク色の髪の毛は後ろでひとつに縛ってある。
ぴょこんとした小さなポニーテールだ。かわいい。
でも、先輩の服はさっきの制服じゃない。膝より少し上くらいの半ズボンによく分からない英単語の書かれたTシャツ、色鮮やかなビブス…いや、ユニフォーム?そこの違いがよく分からない。
でもそんな姿も、先輩はキマっていてすごくかっこいい。
THE・練習着といった格好から伸びるすらりと長い手足は真っ白だったけれど、制服では隠されていた男の人特有の骨張った体だった。
少しぼうっとしていると、ホントに桃山先輩じゃん、Aこれ知らなかったの?と隣からコソッと
うるさいなぁ、仕方ないじゃんと背後で沙良の背中をつつくと、ごめんごめんと目で訴えてきた。
まあ確かに気づかなかったどころか知らなかった私も私なんだけどね。
「ん?
それもしかして俺のカーディガン!?」
そこで先輩が私の腕に目を向けた。そこにかけられるようにして持たれているピンクベージュに気づいたようで、声が大きい。
「と、図書室に置いてっちゃってたので持ってきちゃいました…すみません」
「ホントありがと!ないな〜って焦ってたんだよね…」
着替えのときに「あれ俺カーディガン着てなくね!?」って気づいたらしい。出来れば部活開始の放送のときもカーディガンの存在を忘れないで欲しかった。
やべー、めっちゃ焦ったわと笑う先輩にカーディガンを渡す。
声は低くてかっこよくて、容姿はそこらへんの女の子よりかわいくて、性格までかわいいとか………ずるくない?
そこで沙良につんつんとつつかれた。彼女の方を振り向くと、彼女が廊下の先を軽くあごで指す。
先輩と同じ陸上部であろう人たちがいっぱいかたまっていて、なんだなんだとこちらを見ていた。
ヒュンッと喉から情けない音が出た。注目の的になるのは好きじゃない。
あの人たちが近付いてくるまでに帰らねば…
「じゃ、じゃあ私はこれ」
「なるせー?どしたの?」
ぺこんと会釈をして別れの挨拶をしようとした私の言葉は途中で遮られた。
手遅れだったわ。
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ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (6月21日 18時) (レス) @page44 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
マザーグース(プロフ) - まねきねこさん» コメントありがとうございます!!!かわいいきゅんきゅんするような恋愛を目指してます…!これからもこの作品をよろしくお願いします!! (2021年9月13日 20時) (レス) id: 446891bd7a (このIDを非表示/違反報告)
まねきねこ(プロフ) - ぐ、っは。可愛いいいい。なるせちゃあああ"あ"あ"((最高ですーー! (2021年9月13日 20時) (レス) id: 35836646c0 (このIDを非表示/違反報告)
マザーグース(プロフ) - qh─ヘラオさん» 初コメありがとうございます!そうです、あの天使さんです!!!好きすぎるだなんて……照れちゃいまs((( これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年8月9日 21時) (レス) id: 446891bd7a (このIDを非表示/違反報告)
qh─ヘラオ - わわわ!!!あの天使さんが!あの天使さんがぁ!ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"好きすぎるゥゥゥ(((初コメ失礼します*_ _) (2021年8月9日 21時) (レス) id: 946dd152aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マザーグース | 作者ホームページ:
作成日時:2021年5月24日 19時