余命なんて吹っ飛ばす。【ダンタリオン・ダリ】

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次の日。


「あ、来た来たw横取り失敗女www」

「やば、まじウケるwww」



ダリ先生はみんなの人気者だ。

優しいし、面白いし。

何よりあの顔だ。


私のように恋心を抱く生徒も少なからずいるだろう。

さっき私を嘲笑った2人はダリ先生を好きな女だ。

どちらもお嬢様育ちで、私を事あるごとに馬鹿にする。

お互いダリ先生のことが好きだから、普段はダリ先生の取り合いのようなことをして揉めているようだが、私をみると急に私の悪口を楽しそうに言い出す。

悪魔(ヒト)の悪口でしか仲良くできないような奴らに、少し前私は目をつけられてしまった。


『好きって、罪なのかなぁ』

私の呟きは周りの騒音にかき消された。




＊


『あれ、』

家に帰り、いつものようにエアコンをつける…はずだった。

『エアコンがつかない。』


エアコンは壊れてはいないはず。

しょうがない、電気ストーブで…


『は、これも！？』


なんと電気ストーブもつかない。

そういえば、電気もつかなかったっけ。

『やば、水も出ない！！』


真冬の部屋。

外と気温はほぼ変わらない。



私の頭の中に一つ、最悪の可能性が浮上した。

『お父さん、料金払ってないの…？』


＊

『お父さん…！待ってよ！』

「ﾁｯ 俺の人生なんだから邪魔すんな

　金は払うから」


＊

金は払う、という言葉に少し安心して

お父さんをその後引き止めなかった私はクズだ。

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