教師陣が私のオタクだった件について【魔入間】

13.ストーカー ページ17

ひと休憩、とバックへ手を伸ばす。

悲しい事実に気づいたのはその時だった。


『あ…クッキー切らしてるんだった…！！』

そう、私の大好物のクッキー。いつも、仕事を頑張った時に自分へのご褒美として食べるのだ。


頑張ったのにご褒美なしなど辛すぎる。

今すぐ近くのコンビニに買いに行こう、そう思って席を立った。

『ちょっと買い出しに行ってきます』

「え、危ないよ。僕が行ってくるから！」

ダリ先生が心配してくれている。

だが、近くだし何より教師統括をこき使うわけにはいかない。

『いやいや、ちょっとしたお菓子買ってくるだけですから！

　大丈夫です！近くですし！』

「うーん…そう？とりあえず気をつけて…！」

『行ってきまーす！』

．

Aが外へ出て約3分後。何気に見たニュースにダリ先生は顔を青くする。

「…え、不審者情報？

　近くのコンビニ付近で立て続けに…！？

　え、しかもよりによって痴漢とかストーカーとか…。

　いやぁ…大丈夫かなAちゃん…心配になってきた…」
　
心配していてもたってもいられなくなったダリ先生。

急いで家を出た。

＊

冬の夜の空気はひんやりして心地良い。

息が白い。

『夜の散歩もたまにはいいね』


そうAがつぶやく影で


「あ、可愛い子はっけぇ〜ん♡」


男がニヤリと笑った。

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