一口ドーナツ ページ45
すると、万作が荷物の中から折箱を取り出して皆に呼びかける。
万作)みんな美味い押し寿司があるんだ、食べないか?
坂野上)飛行機の中で寿司!?
坂野上が驚いた声を出す。
剛陣)親父さんの押し寿司か!
つくし)食べたい!
しの)食べるっ!
次々に喜びの声を上げるメンバー。
万作)親父がさ、どうしても持ってけってうるさくて…普段から無口なくせに強引なんだよな
そう言いながらも何処か嬉しそうに箱を手渡していく万作。
しのから渡された箱を士郎へと手渡ししているAは、そんな万作の姿にクスリと笑い剛陣も豪快に笑った。
剛陣)どこの親父も変わんねえな
と、剛陣が大量のさつま揚げが入った袋を持ち上げて席を立った。
つくし)うん!良い!
杏奈)遠足のバスの中じゃないんですけど…
しの)Aちゃんは配んなくていーの?
A)あっ!そうだった…忘れてた…!
しのの言葉にAも続いて、荷物の中から紙袋を取り出して席を立つ。
まず初めに、窓から外の景色を眺めていた明日人と氷浦の元に向かう。
A)明日人くん、氷浦くん
明日人)A?
A)話してる時にごめんね
氷浦)何を持ってるんだ?
Aが持っている紙袋に釘付けになっていが氷浦が訊ねる。
すると「よくぞ聞いてくれました…!」と言わんばかりに胸を張るAは、紙袋からラッピング袋を取り出した。
A)はい、どうぞ
明日人)おお〜っ!コレってAの手作り?!
A)うん、久しぶりの休日だったから作っちゃった!着くまでまだ掛かるし小腹も空くだろうから…よかったら食べてね
ラッピング袋を手渡しながら、Aが経緯を説明すると納得したように2人は頷く。
明日人)サンキュー、A!
氷浦)ありがとう、A
A)どういたしまして
被り物越しにふわりと微笑んだAはさっそく中身を開封する明日人たちに数回手を振ると、お菓子を配りに歩いて行った。
明日人)おっ!ドーナツだ!
氷浦)本当だ…しかも食べやすいように一口サイズに
明日人)Aの作るお菓子、やっぱり美味いな!
氷浦)そうだな、味もしっかりしてて……それに
明日人)それに?
氷浦)あ、いや…!なんでもない
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
