慧星に響く歌声は7【オリオンの刻印】 (ページ43)

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待合室ページ43

イナズマジャパンは朝一の便で、FFI本戦の開催地であるロシアへと旅立とうとしていた。

まだ飛行機に乗るまで時間が少しあるため、明日人たちは待合室で待機をしていた。

明日人)それにしても2人共まだ来ないな～

氷浦)事務所に行くとか言ってたから、もしかしたらまだ疲れてるのかもな

剛陣)まさか、あいつら忘れてるんじゃないんだろうな!?

万作)そんな剛陣先輩じゃあるまいんですから…

岩戸)絶対に有り得ないでゴス…

新雷門は未だに待合室へと来ない2人を心配していた。

…心配しているのは新雷門だけではなさそうだが。

なにしろ電話をしても出ないと言うのだから、尚更心配なのだ。

つくし)あっ!Aちゃんから電話が来ました!

円堂)本当か!?

つくし)はい!……もしもし、Aちゃん?

つくしはAから電話が来たと知らせると、スピーカーをONにする。

すると、つくしの周りにイナズマジャパンが集まりしんと静まり返る。

A)『…もしもし、つくしちゃん?皆もう揃ってるの?』

つくし)揃ってるよ!電話しても出ないから心配してたんだよ!

A)『あはは、寝坊しちゃって…ごめんね?今どこにいる?』

つくし)控え室だよ!まだ飛行機までには時間があるからそこで待ってるの

A)『控え室、控え、室……ひか…え、しつ……しの、何処?』

しの)『えー、まって今探し……ちょ、Aさんッ?!そっち逆方向ッ!!』

A)『えぇ?でも地図にそう書いてる……』

しの)『いやいやいや、現在地はここだから!!勝手に居なくなんないでマジでッ!』

円堂)しの、大丈夫か?

電話越しから伝わるしのの苦労に、思わず声をかけてしまった円堂。

A)『あれ、円堂くん?円堂くんの方が早いだなんて珍しい…!』

遅刻ばかりしている円堂が自分よりも先に着いているという事に驚きの声をあげるA。

風丸)そんな事言ってる場合か…しのとはぐれるなよ

A)『風丸くん!分かってるよ、私だって子供じゃないんだから』

「本当か?」と風丸が尋ねる前にしのの声が電話から聞こえてくる。

しの)『あーッ!!分かった分かった、すぐ着くからもーちょい待ってて!』

つくし)本当ですか!待ってますね!

A)『じゃあ、また後でね』

「はい!」とつくしが元気よく返事をすると、ピッと電話が切れる音が響く。

明日人)何とかなりそうだな

灰崎)アイツ…妹が居なかったらここにも来れねえのかよ…

灰崎の呆れた言葉にその場にいた者は同感だと言わんばかりに相槌を打つ者もいれば、苦笑いを零す者も。