爆弾発言 ページ33
のりかと別れたAとしのは、伊那国島メンバーの両親へと挨拶に回っていた。
途中、しのとは別れたようでAはまだ挨拶を済ませていない人物達を探している。
A)ええっと氷浦くん氷浦くん……いた…!
その人物の1人である氷浦……もとい氷浦の祖母を見つけたAは2人の元に寄る。
氷浦祖母)……あら?きーちゃん、あの子は…
氷浦)えっ?……あ、A!
声をかける前に氷浦の祖母がAに気付き、ワンテンポ遅れて氷浦もAに気付く。
A)あっ……楽しんでいる所に失礼します…私、初音Aと申します、いつも氷浦くんとは仲良くさせて頂いております
Aは氷浦の祖母に目線を合わせるように、少し屈むとペコリと体を丁寧に二つ折りにする。
氷浦祖母)まあまあ…こちらこそ、きーちゃんがお世話になってます
Aの丁寧な対応に、氷浦の祖母も同じようにペコリと綺麗なお辞儀を返す。
氷浦祖母)それにしても…きーちゃんにもこんなにも可愛い彼女さんがいたら安心だねえ
周りに花を咲かすように、にこりと朗らかに笑う氷浦の祖母。
だが急な爆弾発言によりAと氷浦は数回、目を瞬かせると耳の付け根まで真っ赤にする。
氷浦)ばっ、ばーちゃん!付き合ってないから…
A)そ、そうですよ!それに氷浦くんにはもっと可愛い子の方が相応しいですよ
そう言って照れた顔を誤魔化すように笑うA。
すると、氷浦が顔を赤くしたままムッとしたような顔付きになる。
氷浦)…っAは、充分可愛いよ
A)ぅ゜ぇっ……
氷浦祖母に続き、氷浦までも爆弾発言を落としAは文字にならない言葉を漏らす。
耳の付け根まで赤くなった顔を通して身体全体が熱くなる感覚が伝わった。
A)(…っ社交会の時から思ってたけど……氷浦くんってこんな子だっけ……?)
確かに氷浦は天然帯びた部分はあったものの、最近は更に磨きがかかったようにAは思える。
…それもそうであろう。
つい最近、氷浦は自分は恋をしていると自覚したのだから。
A)あ、りがと……っ私!他の方にも挨拶してくるねっ!!
この空気感に耐えられなくなったAは、氷浦とその祖母の返事を聞く前にそそくさとその場を去る。
A)(…氷浦くんの天然さはおばあちゃん譲りなのかなあ)
剛陣)おっ!いたいた!Aーッ!
手を団扇代わりにし、パタパタと仰いで熱い顔を冷ますAに剛陣が大きく手を振っているのが見えた。
何事だと思い剛陣の元へ寄るとそこには剛陣の父親、そして何故かげっそりとしたしのが。
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
