味付け海苔 ページ31
のりか母)元気な子だね!…そうだ、のりかアレ持ってきな
のりか)わかった!
のりかの母がそう言うと、のりかは頷いて明日人たちがいるテーブルへと駆け出していく。
そして袋を手に持って戻ってきた。
A)あの…これは?
のりか母)よかったら持って帰って食べとくれ
のりかを通して手渡されたレジ袋。
Aは、きょとんと目を瞬かせながらのりかとその母を交互に視線を移していく。
のりか)開けてみて!
しの)んじゃ遠慮なく…っ!
のりかの嬉々とした声とともに放たれたその言葉に、しのが勢いよく袋を開ける覗き込んだ。
Aも遅れながら袋の中身を覗き込むと…。
しの)味付け海苔だあー!
中には味付け海苔、と書かれたパックが小分けになって入っていた。
A)あの、いいんです…か……?
のりか)もちろん!それ、うちのイチオシ商品なの!すっごく美味しいから2人にも食べてほしくって
「ふふん」と嬉しそうに鼻を鳴らして後ろ手を組みながらそう言ったのりか。
その隣では「味が合うは分からないけどね」 と、のりかの母が目を優しそうに細ませて笑った。
のりか母)のりかから色々聞いてるよ、のりかとそう変わらないのにあんたら偉いねぇ…困った事があればなんでも言いなね
A)……っ
何気ない、優しい言葉にAは目頭が熱くなる。
A)(…こんな事、円堂くんのお母さんにもされたっけなぁ…)
A)…ありがとうございます、お言葉に甘えさせて頂きますね
ぎゅっと手を握りしめ、泣きそうになった顔をすぐさま笑顔へと変えるA。
しの)ご飯のお供にします!…しばらくお供には困んないねっ
その隣で嬉しそうに身体をゆらゆらと揺らし、Aに続いてお礼を云うしの。
のりか母)じゃあ私は他の皆にも配ってくるね
のりか)私もお茶淹れてくるから、2人は待ってて!
しの)はーい!
ゆっくりその場を去っていく母とは違い、ぱたぱたと元気な靴音を立てながらテーブルまで走っていくのりか。
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
