危なっかしさ ページ28
しの)そーいえば明日人たちもこんな事言ってた時、あったよなあ?
明日人)うっ!…だってやっぱり気になるじゃんか…
過去にあった事を掘り返し、意地悪そうにほくそ笑むしのに明日人はあからさまに目を逸らす笑う。
そんなやり取りに新雷門と一星は声を弾ませた。
A)そういえば一星くんはどうするの?
元々日本に住んでいたとはいえ、海外に身を置いていた一星に行く宛てがあるのかAは気になるようだ。
光)俺はここに残りますよ、監督や他に何人か残るみたいなので
A)そうなんだ、行く宛てないなら私の家に招こうかななんて思ってたけど…こっちの方が安心だね
少なくとも監督と子文は残るであろう。
セキュリティもしっかりとしたこの宿泊所の方が我が家よりも安全だと判断したAは柔らかく微笑む。
光)えっ!?
A)え?
Aにとっては何気ない、ただの親切心で言った事だったのだが…一星にとっては違う。
光)(せ、先輩の家にって…っ!)
何を考えているのか、みるみる顔を赤くする一星。
…彼も思春期男子。
ましてや好きな子に「家に来る?」などと聞かれただけでも、純粋な彼にとっては誤解を招いてしまう発言となってしまうのだ。
光)そ、そんなダメですよ!先輩は女性なんですから!!
A)えっ…?
光)俺も男なんですからッ…絶対にダメです!!
A)う、うん…?
A)(なんかこんな事、前にも一星くんにも言われたけど…私ってどう思われてるんだろう……)
顔が首の付け根まで朱を注いだように真っ赤にさせている一星を前にAは困ったように頷く。
今に始まった事では無いが、簡単に男を部屋に入れようとするAに少なからず一星は危なっかしさを感じていたのだ。
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A)…よし、これで準備OK
しの)しのもOK!そんじゃ、行こっ!
ミーティングルームから自分の部屋へと戻り、身支度を済ましていたAとしの。
2人は身支度を終えたのを確認すると、しのに半ば引きずられながら手を引かれる。
A)(皆、元気かなぁ…)
数ヶ月ぶりの雷門中、数ヶ月ぶりに会える仲間達の姿に胸に馳せ、2人は宿舎を出たのだった。
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
