骨休め ページ27
FFI世界大会への切符を手に入れたイナズマジャパンを祝しての壮行会が、無事に終わった翌朝。
趙金雲から招集をかけられミーティングルームへ。
監督)FFI開催地ロシアへの出発は2日後です
イナズマジャパンの皆さんは海外の出発の前に、渡航手続きの書類提出を行ってきてもらいます
久遠)これから海外に出たらさらに激しい戦いになるだろう
その為に学校に戻り、今のうちに骨休めでもしてくるといい
監督)皆さんがアジア予選を勝ち抜いてきたご褒美も兼ねていますよ〜!
明日人)本当ですか!?やったー!
剛陣)あいつら元気にしてっかな!?
万作)会うの久しぶりだしな
椅子から立ち上がり、両腕を上げて喜びを全身で表す明日人を始めとする新雷門中は。
FFを共に勝ち抜いた仲間に会えることを楽しみにしているようだ。
灰崎)学校に戻れるのがそんなに嬉しいか?
野坂)喜ぶのが普通じゃない?
灰崎)お前はどうすんだ?王帝月ノ宮はサッカー部解散になったんだろ?
野坂)ああ、僕もこの代表の戦いが終わったらどうするか考えないといけないね
明日人)そうだ、2人も雷門に戻るんだろ?
「のりかも楽しみにしてるだろうな!」と笑顔を向けてくる明日人に、Aも嬉しそうに頷く。
A)うん!1日目はそのつもりだよ
氷浦)1日目は…?
「1日目は」とわざと強調したAに、何か意味があるのだと思った氷浦は首を傾げる。
しの)色々と忙しいんだよ、なんたって有名人だからねっ!
A)家に帰るかも怪しいもんね…
Aに引き続き「有名人」をわざと強調するしのにAも目尻を下げる。
万作)じゃあ2人は家に帰らないつもりか?
A)帰る予定ではあるよ…帰らなくてもいいんだけどね
光)えっ…先輩はご家族には会わないんですか?
話が聞こえていたのか、一星が会話へ入り込む。
A)あれ…言ってなかった?私達、孤児なんだ…公にはしてないけどね
しの)保護者代わりはいるけどな、親はもういねぇもんねー
衝撃の新事実に、思わず固まってしまう一星。
確かにしのが「母親は事故死した」と言ってはいたが、まさか父親までいないとは思ってもいなかったのだ。
というより「血の繋がりがない」という発言から2人は親同士が再婚したのでは、というのが一星の考えであった。
光)す、すみません!無神経なことを…!
A)ふふっ、気にしなくていいよ
目を点にしながらあわあわと謝る一星にAは優しく微笑む。
知らなかったものは仕方ない。
A自身も両親についてあまり関心はないようで、気にしていないようだ。
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
