背伸び ページ3
A)あっ…!そうだ、ちょっとこっち向いて!
士郎)うん…?
不思議そうに目を丸くするも、言われるがままAの方へくるっと方向転換をする士郎。
Aは士郎の肩に両手を添えてぐっと背伸びをする。
A)ほらっ!こうすればしーくんと同じ目線で世界が見れる…!
士郎)あはは、なんだそういう事か…Aちゃんらしいね
ぷるぷると震えているAの腰にそっと手を回し支えるようにしてくれる士郎。
だがこの男、実際はただAと触れ合いたいだけなのだ。
A)でもまだこれぐらいは届かないや
そんな事も知らずに支えてくれている士郎に身を任せながら、片手で自分と士郎との身長差を測る素振りを見せる。
士郎)(…っこの子はまた無意識に……)
士郎に全体重を任せているせいでいつも以上に身体が密着してしまう。
オマケに今回はドレスなだけあって露出が多く、士郎の中にある激しい情欲が迫る。
A)やっぱりしーくんも大きいよね、いいなぁ
いつもより近くなったものの士郎がAを見下ろすのは変わらない、その為自然と上目遣いになる。
そんな事も知らずにAはこてん、と小首を傾げ柔らかな笑みを浮かべる。
士郎)っ〜〜……それで、Aちゃんは何をお探しかな?
A)あはは…バレちゃってたかぁ
恋しさがむらむらと湧きでるのをぐっと堪え、小さなため息交じりに尋ねてくる士郎にAは軽く肩を揺する。
A)実はさっき円堂くん達と会ってね、不動くんを探してるみたいだから私も手伝ってて…
士郎)不動君ならあっちに居たよ?
A)えっ!?どこ…?
士郎)ほら、あそこのバルコニーに
士郎が指差す方へと目を向けると確かにいた、1人佇んでいる不動が。
A)本当だ…!は、早く円堂くん達に知らせないと…
そう言うとAはすぐさま携帯を取り出し円堂と連絡をとる。
A)ありがとう!お陰で助かったよ…!
士郎)お役に立てたなら良かったよ
坂野上)Aさーんっ!
すると円堂たちが勢いよく此方に走り寄ってくるのが見えた。
A)あっ、2人t
円堂)よし、行くぞA!
Aの返事を待たずして片腕を掴むと、そのまま不動の方へ向かう円堂。
坂野上)吹雪さん、ありがとうございます!
残された士郎は嵐のように去っていった3人の背を呆然と見送る。
士郎)行っちゃった…もっと話したかったんだけどなぁ……
自分から甘い雰囲気から逃げたものの、やはりもう少しあの雰囲気を堪能したかった士郎。
普段は士郎がAに意地悪をするのが定番だったが、今回ばかりはAに1枚やられた。
…だがたまにはAに振り回されるのもいいな、と密かに思った士郎だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
